1mbpsはどれくらい遅い?下り1mbpsのできること【動画の低速モードがギリ】

モバイル回線を使用していると速度制限を受ける条件として、1mbps程度というタイプが少なくありません。最大数百mbpsという回線契約でスマートフォンを利用していると、本当に1mbpsの制限を受けた時に使い物にならないのではないかと心配になります。なぜなら、かつて使い物にならないとされていた128kbps制限を受けて、月が変わるまで苦しい思いを経験した人が多いからです。そこで、1mbps程度の速度制限を受けたとしても使い方次第では快適にインターネットを使える範囲があり、逆に諦めなければならない点はどこにあるのか解説します。

1mbpsでできること・できないこと

1mbpsでできること・できないことを下表にまとめました。1mbpsはあまり大したことができないと思われるかもしれませんが、単独で通信帯域を使う前提であれば、大半の用途は問題なく利用できます。

ただし、高画質の動画を伴う用途は苦しいです。

1mbpsでできること

1mbpsでできることは、標準画質までのストリーミング動画の視聴、ストリーミング音楽、 ほとんどのゲームができます。

1mbpsで厳しいこと

1mbpsで厳しいことは、高画質の写真・動画の送受信、高画質のストリーミング動画、Skype以外のビデオ通話です。

LINE・メール

LINE・メールの使用感は以下のとおりです。

LINE

LINEの使用感は以下の通りです。テキスト・画像・動画でやや使用感が異なります。画像・動画を送る場合はそのデータの品質によって必要データ量は大きく変化するので注意しましょう。

種類 推奨通信速度 1mbpsの快適度 1mbpsの使用感
テキストのみ 5kbps テキストメール1通あたり、約5KB=40キロバイトです。1mbpsであれば、事実上いくら送っても全く問題ないと感じられます。
画像 100kbps 中程度の画像を送ると、100KB程度です。1mbpsであれば1秒以内に送信できるので、非常に快適に感じます。
動画 2Mbps 30秒の動画を送信する場合、6MB程度の容量がありますので、48メガビットです。1mbpsでは、1分弱かかります。これは時間がもったいないと感じます。

メール

LINEの使用感は以下の通りです。テキストのみの場合よりも、画像が添付されている方がデータ量が多くなります。

種類 推奨通信速度 1mbpsの

快適度

1mbpsの使用感
テキストのみ 128kbps 日本語の文字は1文字あたり2バイトです。何も気にする必要はありません。
画像 1Mbps サイズが1MBの画像を添付したメールを送信する場合は、6Mbpsになりますから、約6秒です。この程度であればストレスはほとんど感じません。

Skype・ビデオ通話

Skype・ビデオ通話アプリの使用感は以下のとおりです。

Skype

ビデオ通話アプリの中では軽量で、低速回線でも利用できるサービスなので、1mbpsであれば、余裕をもって利用できます。

用途 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 20MB 300kbps

Zoom

Zoomはビデオ通話アプリの中では、Skypeに次いで軽量です。1mbpsでちょうど使えます。

用途 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 85MB 1.13Mbps

Webex

Webexから、1mbpsでも利用が苦しくなります。ラグが多くなりますので、
、ビデオを利用せず音声のみで通話した方がストレスがありません。

用途 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 160MB 2.1Mbp

Teams

Teamsは、ビデオ通話アプリの中で最も重量級のアプリです。Webexよりもデータ通信量が多く、1mbpsでは利用に適していません。

用途 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 216MB 2.8Mbps

スマホアプリ

スマホアプリの使用感は以下の通りです。よく広告をみかける有名なものをピックアップしました。比較しやすいように他の通信速度の記事と同じ作品をとりあげています。

Tiktok:動画共有SNS

Tiktokは、動画共有SNSアプリです。タイムラインには常に新しい動画が流れてきます。タイムラインのデータ量が非常に大きくなるため、1mbpsでの利用はややもたつきが発生します。

用途 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 90MB 1.2Mbps

サマナーズウォー:ターン制RPGゲーム

サマナーズウォーは、軽量なRPGゲームです。2Dかつターン制の少人数バトルだからです。ゲームプレイは低速回線でも可能なので、1mbpsであれば余裕をもって楽しむことができます。ただし、4人のプレイヤーで遊ぶレイドバトルというモードは、回線状況によっては迷惑がかかる可能性もあります。快適に通信できる時間帯で遊びましょう。

用途 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

ゲームプレイ1時間 25MB 56kbps

AbemaTV:オンライン放送局

AbemaTVは、オンライン放送局です。あまり高画質にこだわるサービスではなく、使いやすさを重視しているので、1mbpsで快適に楽しむことができます。

用途 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

10分間視聴 25MB 330kbps

音楽のストリーミング再生

音楽のストリーミング再生では、1mbpsだと最高品質のまま楽しむことができます。

音質 推奨通信速度 1mbpsの

快適度

96kbps
標準 160kbps
320kbps

Googleマップ

GoogleMapはデータ通信量が小さい地図アプリです。低速回線でも利用できる性能を持っているので、1mbpsであればなおさら快適です。高速道路を利用する場合は車両の移動が速いので、通信速度も高速であるほどよいものですが、1mbpsであれば問題ありません。

グーグルマップが重いときの対処法は以下で解説しています。

用途 消費データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

ナビ10分 1MB 15kbps

SNS

SNSでの代表的なアプリの使用感を以下に挙げます。

Twitter

チャットやダイレクトメールはテキストだけなので、SNSの中では軽量な方に分類されます。タイムラインの閲覧は、画像・動画が含まれるものの、1mbpsであればストレスを感じない程度です。

閲覧内容 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

タイムライン

10分

60MB 800kbps

Facebook

Twitterと状況はほとんど変わりません。若干Facebookの方が軽量です。

閲覧内容 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

タイムライン

10分

50MB 660kbps

Instagram

Instagramは高画質な画像をメインコンテンツにしているサービスなので、タイムラインのデータ量が大きいSNSです。1mbpsの場合、動画・ストーリーはなんとか表示できますが、高画質な写真が流れてくると追従するのが苦しくなり、時間の浪費感が強くなります。

閲覧内容 合計データ量 bps換算値 1mbpsでの

快適度

写真 10分 140MB 1.86Mbps
動画 10分 70MB 930kbps
ストーリー 10分 70MB 930kbps

YouTube(動画)

YouTube(動画)のデータは以下の通りです。1mb psでは、SD画質の480pがなんとかギリギリ視聴できます。実際的なことを言うと、480pで無理して見るよりも、1~2ランク水準を落とした方が快適です。

YouTubeが遅いときの対処法は以下で解説しています。

動画の解像度 推奨される持続的な速度 1mbpsの快適度
4K 20 Mbps
HD 1080p 5 Mbps
HD 720p 2.5 Mbps
SD 480p 1.1 Mbps
SD 360p 0.7 Mbps
低画質 240p 300kbps
低画質 144p 128kbps

オンラインゲーム

オンラインゲームは高速回線が当たり前になっているのが現実です。ここでは、最大100人のバトルロイヤルタイプのFPSで、有名な3タイトルを代表例として比較しました。

FPS

FPSは、サーバーと高速に通信することで、他のプレイヤーとの通信も円滑にできる、という仕組みの上に成り立っているゲームです。ですから、RTTが最も重要な指標です。

下り側の回線速度だけでなく、上り側の回線速度も同等以上でなければ問題が発生します。どちらも1mbpsであれば、基本的なプレイには問題がありません。

作品 用途 データ量 bps換算値 1mbpsの

快適度

荒野行動 1時間プレイ 160MB 355kbps
PUBG 1時間プレイ 20MB 45kbps
CallOfDuty 1時間プレイ 24MB 53kbps

【結論】速度1mbpsは高画質動画以外ならOK!

結論として、速度1mbpsは、”高画質にこだわらなければ”問題なく快適に利用できる、と言えます。先述したできること・できないことが、上表でより具体的に把握できたと思います。1mbpsでは、HD以上の動画の利用は難しく、それと似てますが、Skype以外のビデオ通話は難しくなります。

1Mbpsとはそもそも何のこと?

1Mbpsとはそもそも何のことか知らないという方のために簡単に説明します。

Mbps(メガビーピーエス)

Mbps(メガビーピーエス)というのは、『メガ・ビット・パー・セコンド』のことです。1秒間に1メガビットのデジタル情報を送信できる速度を表しています。

mbpsは以下で解説しています。

速度が1mbpsになるケース

速度が1mbpsになるケースは、以下のようなものが代表的です。

①UQの通信速度制限

UQの通信速度制限が一番わかりやすい例です。UQでは、直近3日間で10GBを超える通信をすると、1Mbpsに速度制限をします。

②格安SIMカードの契約速度

楽天モバイル、ahamo(docomo)、povo(au)といったサービスでも、契約容量上限まで使い切った後は、1Mbpsで利用できます。

③回線混雑

回線混雑でも通信速度が1Mbpsまで低下することがあります。特に事業者回線に故障があって本来の性能が出せない場合に起きます。これは安定性に問題があり再送が発生しやすい無線回線で起きやすいです。

④接続先サーバーへのアクセス集中

接続先サーバーへのアクセス集中でも、1Mbpsに低下することがあります。これは回線速度によらず、サーバーがどれだけ処理能力があるかによるため、光回線でも起きます。

⑤高密度スタジアム

新国立競技場などの高密度スタジアムでは、多数のユーザーが同時利用しやすいため、1Mbps程度の通信速度になることがあります。このような高密度利用を想定した環境では、もともと1端末あたりの通信速度の上限を5Mbps~10Mbps程度に制限することが多いことも一因です。

1mbpsはYouTubeの低速モード×楽天モバイルでお得?

1mbpsはYoutubeの低速モード✖楽天モバイルでお得なのでしょうか。これは動画の画質にこだわらない場合は、お得です。その理由を具体的に説明します。まず、Youtubeの情報系コンテンツは、音声が問題なければ低画質でも有益さは変わりません。

後述の表を見て頂くと、1mbpsならSD画質の480pならギリギリ、360pなら問題なく視聴できます。その点を踏まえて楽天モバイルの料金プランを見ると、1mbpsであれば容量無制限で月額2980円(税込)ですから、他社と比較して月額料金をかなり抑えることができます。

つまり結論として、Youtubeの低速モード(といってもSD画質なのでほとんどの用途で困らない)✖楽天モバイルは、かなりお得だと言えます。

楽天モバイルの通信制限は1mbps?

楽天モバイルは、楽天基地局に接続する場合は、契約容量超過後も速度制限はありません。楽天エリア外のパートナー基地局(au)での通信が1mbpsになります。楽天の基地局数は、他のキャリアと比較して非常に少ないですが、主要都市部はカバーしています。

動画サービスと通信速度の目安

動画サービスと通信速度の目安を説明します。日本国内でサービスを展開している有名サービスをピックアップしました。下表のとおり、サービスごとに推奨通信速度はばらつきがあります。1Mbpsで利用しやすいサービスはU-NEXT(自動画質調整あり)、Amazonプライム・ビデオ、Disney+でした。

この目安の値は、標準画質であり、各サービスで要求される通信速度の最低値です。通常は、回線の負荷変動を考えて、2倍以上の帯域幅の余裕を持つことが望ましいです。

動画の解像度 推奨通信速度の目安 1Mbpsの快適度
U-NEXT 1.5 Mbps
Hulu 6 Mbps
Amazonプライム・ビデオ 1 Mbps
Netflix 3 Mbps
DAZN 5 Mbps
Disney+ (ディズニープラス) 1.5 Mbps

低画質モードでYouTube観てみた

低画質モードでYoutubeを見てみた感想をまとめました。Youtubeでは、動画領域の右下にある歯車マークをクリックすると、「画質」という項目があり、これをさらにクリックすると、視聴する画質を選択できます。このようにして、低画質モードを体験してみました。

144pで観てみた

144p

144pで観てみたところ、最初のフレームから即座に画像の粗さがわかり、まるですりガラス越しに観ている感じがします。試してみたのは有名音楽チャンネルの公式PV動画なのですが、画質を落としたからと言って音質までは落ちませんでした。

240pで観てみた

240p

240pで観てみたところ、144pよりも被写界深度内の被写体が明瞭に見えるものの、本来ピントが合っているはずなのにボケているため、若干ストレスを感じました。

まとめ

最近は高速通信の広告が溢れかえっているため、1mbpsと聞くと何もできないような印象を持っているかもしれません。ですが、本記事を読んで頂いた結果、実は多くの用途で問題なく利用できることがわかって頂けたのではないでしょうか。

向いていないのは、映像品質にこだわる作品と多人数ゲームだけです。これはWi-Fi環境でのみ利用するとしておけば、生活上の支障はほとんどないでしょう。また、楽天モバイルのプランは非常にコストパフォーマンスが良く、魅力的ですね。

使いやすくわかりやすいので、検討する価値は大きいです。本記事を参考に、最大限コストパフォーマンスを改善するべく契約内容を再検討してみてはいかがでしょうか!