128kbpsはどのくらい?スマホの速度制限できること【動画いける?】

128kbpsって遅いの?キャリアの通信速度制限が適用されてしまった場合、低いケースでは128kbpsになる場合があります。この制限が嫌だなと思って、普段から意識して避けているのが普通です。ですが、もしこれが本当に適用されてしまった場合、何がどのぐらいできるのでしょうか?本記事では、この疑問にお答えするため、128kbpsの通信速度とはどういう状態なのか、詳しく解説します。本記事を読んで頂くと、他の速度水準についても把握しやすくなり、実際に128kbpsの通信環境に陥っても、ストレスをうまく回避できるようになります。

128kbpsとは

128kbpsとは、通信速度を表しています。1秒間に128キロビットしか通信できないということを表しています。128キロバイトではなく、その8分の1です。

速度が128kbpsになるとき

速度が128kbpsになるときはどのようなときかというと、キャリアと契約したデータ容量上限まで通信してしまい、速度制限をされている場合です。具体的には以下のような状況で起こります。(具体的な原因は後述します)

・ストリーミング動画を見すぎた
・P2Pソフトでデータ通信しすぎた
・ゲームをダウンロードしすぎた
・ゲームのアップデートを繰り返した
・大容量ファイルを送受信しすぎた

128kbpsはどれくらい遅い?

128kbpsはどれくらい遅いかを理解するためには、他の用途の標準的な通信速度と比較してみるとわかりやすいです。128kbps=0.128Mbpsですので、全く比べるべくもありませんね。

・ゲーム 下り10Mbps/上り10Mbps
・動画(標準) 下り1Mbs
・動画(高画質) 下り20Mbps

128kbpsでできること・できないこと

128kbpsでできること・できないことを表にまとめました。128kbpsの通信速度での体感の感想を記載しています。

LINE・メール

LINE・メールの使用感は以下のとおりです。

LINE

LINEの使用感は以下の通りです。テキスト・画像・動画でやや使用感が異なるので、詳しくは表内に記載しました。

種類 推奨通信速度 128kbpsの

快適度

128kbpsの使用感
テキストのみ 5kbps テキストメール1通あたり、約5KB=40キロビットですので、128kbpsでも充分利用できます。
画像 100bps 画質にこだわっていない普通の画像を送ると、100KB程度のデータ量になります。送信に10秒程度かかるので、遅さを感じます。
動画 2Mbps 30秒の動画を送信する場合、6MB程度の容量がありますので、40メガビットです。128kbpsでは、送信に5分程度かかります。これはつらいです。

メール

LINEの使用感は以下の通りです。テキストのみと、画像が添付されている場合で少し様子が異なります。

種類 推奨通信速度 128kbpsの

快適度

128kbpsの使用感
テキストのみ 128kbps 日本語の文字は1文字あたり2バイトです。1000文字書いたとしても2KBにしかなりませんので、問題なく利用できます。
画像 1Mbps 1MB程度の画像を添付したメールを送信する場合は、約1分程度かかってしまいます。写真を素早く送ろうと思ったら、圧縮率をあげなくてはならず、画質が落ちます。

Skype・ビデオ通話

Skype・ビデオ通話アプリの使用感は以下のとおりです。

Skype

最低限の画質であれば、かなり画質が粗いと評価されていることが多いです。しかしその分圧縮率が高いということです。ですが、128kbpsだと必要な通信速度の半分しかありませんので、利用は苦しいです。

用途 合計データ量 bps換算値 128kbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 20MB 260kbps

Zoom

Zoomはビデオ通話アプリの中では、Skypeに次いで軽量です。ですが、128kbpsでの利用は負荷が高すぎて無理があります。

用途 合計データ量 bps換算値 128kbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 85MB 1.1Mbps

Webex

Webexについての使用感は以下の通りです。Zoomよりもかなりデータ量が増えています。128kbpsではこちらも無理があります。

用途 合計データ量 bps換算値 128kbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 160MB 2.1Mbps

Teams

Teamsの使用感は以下の通りです。ビデオ通話アプリの中では最も通信データ量が多いです。128kbpsでの使用は全く想定していないのがわかりますね。128kbpsでは、ほとんどビデオ通話画面が更新されない状況になります。

用途 合計データ量 bps換算値 128kbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 216MB 2.8Mbps

スマホアプリ

スマホアプリの使用感は以下の通りです。よく広告をみかける有名なものをピックアップしました。

Tiktok:動画共有SNS

Tiktokは、動画共有SNSアプリで、みんなで動画を投稿して楽しむサービスです。軽量なビデオ通話アプリよりも、データ量を消費します。128kbpsでの利用は苦しいです。日々新しい動画が投稿されるため、キャッシュが効きにくいことも一因としてあります。。

用途 合計データ量 bps換算値 128kbpsでの

快適度

ビデオ通話10分 90MB 1.2Mbps

サマナーズウォー:ターン制RPGゲーム

サマナーズウォーは、ターン制RPGゲームとして大人気のアプリです。ダウンロードは1.2GBあり、Wi-Fi環境でなければ無理です。とはいえ、ゲームプレイそのものはそれほど通信速度を必要としません。128kbpsだとbps換算値の半分以下ですが、基本はソロプレイなので、問題なく楽しめます。レイドバトルというマルチプレイモードは他のプレイヤーに迷惑がかかるのでおすすめできません。

用途 合計データ量 bps換算値 128kbpsでの

快適度

ゲームプレイ1時間 25MB 330kbps

AbemaTV:オンライン放送局

AbemaTVは、オンライン放送局のアプリです。番組視聴のデータ量は意外にも低いです。ただ、これはリアルタイムに視聴したいコンテンツですから、128kbpsでは音声の乱れ・途切れが強くなり、適しているとはいえません。そうした音声上の障害を許容できるのであれば利用できないことはありません。

用途 合計データ量 bps換算値 128kbpsでの

快適度

10分間視聴 25MB 330kbps

音楽のストリーミング再生

音楽のストリーミング再生の場合は、使用感は概ね次のとおりです。多くの音楽ストリーミングサービスで、低音質~標準音質までのグレードであれば、128kbpsで再生可能です。

音質 推奨通信速度 128kbpsの

快適度

96kbps
標準 160kbps
320kbps

Googleマップ

GoogleMapの使用感は以下のとおりです。実は驚くほど小さなデータ量で利用できます。データ消費量は40kbpsのなので、通信速度が128kbpsでも充分利用できます。

グーグルマップが遅いときの対処法は以下で解説しています。

用途 消費データ量 bps換算値 128kbpsの

快適度

ナビ10分 1MB 40kbps

SNS

SNSでの代表的なアプリの使用感は次のとおりです。

Twitter

チャットやダイレクトメールなど、テキストのみであれば、128kbpsでも大丈夫です。ですが、タイムラインの閲覧となると、画像や動画が含まれますし、広告も多いので、更新が遅くストレスを感じます。

閲覧内容 合計データ量 bps換算値 128kbpsの

快適度

タイムライン

10分

60MB 800kbps

Facebook

Twitterよりやや軽量です。同じようなアプリなので、128kbpsでの使い勝手もほとんど同じです。

閲覧内容 合計データ量 bps換算値 128kbpsの

快適度

タイムライン

10分

50MB 660kbps

Instagram

Instagramの使用感は以下の通りです。Twitter・Facebookよりも高画質なコンテンツであるため、かなり閲覧が遅くなります。写真閲覧の方が動画閲覧よりも多くのデータ量を消費している点に要注意です。

閲覧内容 合計データ量 bps換算値 128kbpsの

快適度

写真 10分  140MB 1.86Mbps
動画 10分 70MB 930kbps
ストーリー 10分 70MB 930kbps

YouTube(動画)

YouTube(動画)の使用感は以下のとおりです。低画質以外の動画を視聴すると、画面が画面が更新されず停止したり、コマ落ちが激しくなります。128kbpsの回線では、最も画質が低い144pが適しています。

YouTubeが遅いときの対処法は以下で解説しています。

動画の解像度 推奨される持続的な速度 128kbpsの快適度
4K 20 Mbps
HD 1080p 5 Mbps
HD 720p 2.5 Mbps
SD 480p 1.1 Mbps
SD 360p 0.7 Mbps
低画質 240p 300kbps
低画質 144p 128kbps

オンラインゲーム

オンラインゲームの使用感は次のとおりです。高い通信速度が要求されるFPSについて、まとめました。

FPS

FPSは、最も重要なのはRTTですので、下り回線速度だけでは快適度を測ることができません。ですが、ここではbpsとして見た場合の使用感に注目して解説します。実は、荒野行動以外の2タイトルは、プレイ中のデータ通信量は少なく、128kbpsでも充分プレイできる水準です。ただし、これは各種のデータロードが全て完了している状態であることを忘れないでください。

作品 用途 データ量 bps換算値 128kbpsの

快適度

荒野行動 1時間プレイ 160MB 355kbps
PUBG 1時間プレイ 20MB 45kbps
CallOfDuty 1時間プレイ 24MB 53kbps

128kbpsの通信制限

128kbpsの通信制限について、なぜそうなってしまうのか、詳しく見てみましょう。通信制限の速度として128kbpsを適用するのは、格安SIMでもキャリア回線でも見られます。ただし、格安SIMでは128kbpsよりも高い200kbps~300kbpsが多いです。

通信制限をかける理由って?

通信制限をかける理由は、”公平制御”というものが関係しています。これは、通信回線を提供しているキャリアが、利用者間の公平性を維持するため、過剰に通信した利用者の通信速度を大幅に下げ、他の利用者の利便性を確保することです。これにより、公共性の高い通信インフラが、一部の利用者に占有されることを防いでいます。

スマホの通信制限は以下で解説しています。

128kbps制限がかかる原因

128kbps制限がかかる原因について、どんなことをするとそうなるのか、事例を紹介します。先述の見出し『128kbpsになるとき』の内容をより具体的に掘り下げて解説しました。通信料を定期的に確認していれば問題は起きないはずなのですが、予想外の消費があると、データ容量の上限をオーバーしてしまいます。以下に出てくる内容は、スマホでもPCでも同じです。

ストリーミング動画を見すぎた

ストリーミング動画を見すぎると、簡単にデータ容量の上限に達します。映像フォーマットの主流であるMPEG4で考えると、1GB=3時間となります。ということは、1日1作品見ると、1か月で30GBを超えてしまいますね。また、おもしろくてハマってしまうと、最後まで見たくなってしまって、結局容量制限に陥るということが起きやすいです。

P2Pソフトでデータ通信しすぎた

P2Pソフトでデータ通信しすぎたときも、簡単にデータ容量の上限に達します。言葉の説明を先にしておくと、P2P(Pier-To-Pier:ピア・ツー・ピア)というのは、個人端末間で直接通信する方式のことです。私的利用の延長として、家族・友人に著作権コンテンツを渡しやすい環境です。それだけに、必要以上に使ってしまいやすく、気づいたらデータ容量上限を超えてしまい、速度制限を受けるというわけです。特に、自動的にクライアントの所有コンテンツを認識してバックグラウンドで送受信する方式のアプリを使っている場合、気が付いたら容量制限にかかっていることもあります。

ゲームをダウンロードしすぎた

ゲームは、人気のある大作ゲームほど、容量も膨大です。ゲーム体験の質に関わる要素として、映像・画像・音楽のいずれのコンテンツも豊富に盛り込んでいるからです。5~10GB程度かかるものも珍しくありません。この場合、10作品ダウンロードしたら100GBに達してしまいます。

ゲームのアップデートを繰り返した

ゲームのアップデートを繰り返したときも、前項と同様の状況なので、やはり通信速度制限になりやすいです。ゲームの運営元は、プレイヤーに継続的に遊んでもらうため、定期的に新しいコンテンツを追加します。その結果、ユーザーはアップデートが必要になります。このとき、データが増えただけなら、差分ダウンロードで済むことが多いのですが、プログラムの基幹部分に関わる改修をした場合は、まるごと更新する必要があります。そのまるごとアップデートを繰り返すと、前項と同様の状態になります。

大容量ファイルを送受信しすぎた

大容量ファイルを送受信しすぎた場合も、容量制限オーバーは起こります。例えば、仕事・旅行・イベントなどで大量に写真を撮影する人に起こりやすいです。美しい写真を残すためには、生データ(RAW形式)で残す場合があり、これは大きなサイズでは、1枚10MB程度になります。写真が好きな人は1日100枚~500枚は苦も無く撮りますから、換算すると1日あたり、1~5GBを使用してしまうことになります。また、同じファイルであっても、ダウンロードとアップロード両方で通信容量を消費します。

速度制限の解除はいつ?

速度制限の解除は、利用月の締め日の翌日です。

128kbpsに制限された時の対処法

128kbpsに制限された時の対処法を紹介します。

データチャージ

どのキャリアも、データ容量の上限をオーバーした場合に、追加で容量を購入することで、速度制限を解除するオプションを提供しています。各キャリアのデータチャージ単位を以下に挙げます。

・ソフトバンク 500MB/1GB
・ドコモ 1GB
・au 500MB/1GB/3GB/5GB

128kbpsの通信制限をかけられないために

128kbpsの通信制限をかけられないためには、どうすればよいのか、簡単にできる対策を紹介します。

データ容量制限のない契約に変更する

データ容量制限のない契約に変更するのが最も簡単で手っ取り早い対策です。データ容量無制限であれば、そもそもどのような用途でも通信速度を制限される心配はありません。月額利用料はやや割高になりますが、利用量が多い方にとっては、128kbpsに制限されるよりも、メリットが大きいです。

無料Wi-Fiを利用する

無料Wi-Fiを利用することも、簡単で効果的です。無料Wi-Fiスポットは以下のような場所に設けられているので、必要に応じて足を運ぶことができます。ゲームのように、大容量であって、しかもオンラインでしかコンテンツを受け取ることができない場合は、必須の対策になります。

■無料Wi-Fiスポット設置場所の代表例
・駅(JR・地下鉄)
・バス
・公共施設
・ファーストフード店舗(マクドナルドなど)
・カラオケボックス

ストリーミング動画ではなく、ダウンロード動画を見る

ストリーミング動画ではなく、ダウンロード動画を見るようにしましょう。ダウンロード配信であれば、視聴中は回線速度に煩わされなくなります。ストリーミング動画しか見れないサービスを契約している場合は、ダウンロード配信に対応しているサービスへの乗り換える必要があります。

大容量データはDVDでやり取りする

大容量データはDVDでやり取りするようにすることも検討する価値があります。PCであれば、無料のアプリでDVDに書き込むことができます。郵送代金や、受け渡しに時間をとられるので若干手間がかかります。

まとめ

128kbpsの速度制限というのは、現代のスマホやPCの通信性能に慣れているユーザーにとってはかなり苦しいものです。この速度制限は、いざというときに重要な通信ができなくなることが最大の問題です。それが大きなもめごとに発展しないよう、データ容量には充分余裕を持つことをおすすめします。そして通信速度制限されてしまった場合は、ちゃんと自重して無理のない利用をし、周囲の人に余計な迷惑をかけないように対応しましょう。