2~7Mbpsの通信速度は動画には遅い?【2/3/4/5/6/7mbpsの微妙な違い】

2~7Mbpsの通信速度はどのぐらいの速さなのか、漠然とした印象のまま済ませてしまっている方はいませんか?昨今は数百Mbpsの通信速度が派手に広告されているので、興味がない人もいるでしょう。ですが、この速度水準に関する理解は、実は意外と重要です。なぜなら、回線が混雑して実測値がこの水準になっているときに、何ができて何ができないのかわかっていると、無理な使い方をせず、ストレスを貯めずにうまくつきあっていくことができるからです。本記事では、その手助けをするため、必要な情報を紹介します。

2~7Mbpsは遅い通信速度?

2~7Mbpsは、遅い通信速度なのでしょうか?各回線におけるこの速度水準の位置づけは、以下のように説明することができます。

WiMAXの2~7Mbps

WiMAXの2~7Mbpsは、サービスの建前としては非常に遅いものになります。これは、最新機種の下り通信速度は1.2Gbpsに達するので、この理論値と比較した場合に非常に遅いことになるからです。また、WiMAXは契約データ容量の上限を超過したとき、1Mbpsに速度制限されます。2~7Mbpsだと、「それほど変わらないじゃん」という印象を持ってしまいがちです。そうした点も含めると、かなり遅く感じます。

Wi-Fiの2~7Mbps

Wi-Fiの2~7Mbpsは、理論値と比較すると非常に遅いのですが、実際にはよくある速度です。参考として、現在普及しているWi-Fi5、そしてその後継として実用化が始まっているWi-Fi6の理論上の最高速度を以下に示します。

・Wi-Fi5 IEEE 802.11ac 6.9Gbps
・Wi-Fi6 IEEE 802.11ax 9.6Gbps

これを見てわかるように、理論的には光回線を遥かに上回る速度が出るのですが、これを多数の端末で分け合うために、あらかじめ速度制限されているのが普通です。ですから、2~7Mbpsというのはよくある値なのです。例えば、観客席が多数存在するスタジアムや、繁華街で混雑しているWi-Fiスポットなど、人が密集しやすい利用環境で見られます。

光回線の2~7Mbps

光回線の2~7Mbpsはどうかと言うと、光回線の標準的に利用できる回線速度は1Gbpsなので、Wi-Fiほどの落差はありませんが、やはり2~7Mbpsは遅すぎますね。WiMAXやWi-Fiなどの電波と事情が違うのは、外乱がきわめて少ない通信路なので、非常に混雑していない限りこれほど低速にはならないという点です。装置故障や、人気サーバーへの突発的なアクセス集中(大型イベントのチケット購入など)以外では、ほとんど起きないです。異常事態と考えましょう。

LTEの2~7Mbps

LTEの2~7Mbpsは、どのぐらいでしょうか。LTEは、ここでは4G-LTE(LTE-Advanst)と呼ばれる規格を表します。最大通信速度はキャリアによって多少異なりますが、概ね900Mbps~1.2Gbpsになります。光回線と近いですね。電波なので外乱が多く、不感地も色々なところにあるので、2~7Mbpsは珍しい速度ではありません。

2Mbpsでできること

2Mbpsでできることは以下のとおりです。

・インターネット 〇快適
・ストリーミング配信 △最低画質
・Youtube  △360p(最低画質)/480p

【備考】360pの動画を見る場合、2Mbpsを推奨します。Youtubeの場合は、480p・360pを見ることができます。480pの推奨値は1.1Mbpsですから、この2種類の画質であれば、快適に利用することができます。

一部の格安SIMの速度制限が2Mbps

一部の格安SIMの速度制限が2Mbpsのものがあります。キャリア回線の標準的な速度制限が128Kbps(UQは1Mbps)であることを考えると、通信速度が高く維持されているのがわかります。わかりやすく言うと、普段それほど高速通信しない代わりに、制限時にはやや高速にしてもらえるサービスということです。

スマホの通信制限は以下で解説しています。

3Mbpsでできるようになること

3Mbpsでできることは以下のとおりです。

・インターネット 〇快適
・ストリーミング配信 〇中程度の画質
・Youtube  〇720p

【備考】オンラインの動画配信を見る場合、3Mbps~5Mbpsが推奨です。例えばYoutubeの場合、720pまで快適に見ることができます。ただし、推奨値2.5Mbpsなのでそれほど余裕があるわけではありません。回線が混雑しておらず安定していれば、問題ありません。

一部の格安SIMの速度制限が3Mbps

一部の格安SIMの速度制限が3Mbpsです。多くのSIMカードは、200Kbpsの制限なのですが、こうしたサービスは容量上限超過後もほとんどの用途で快適に利用できるので、便利です。

4Mbpsでできるようになること

4Mbpsでできることは以下のとおりです。ストリーミング配信が3Mbpsよりも少し高画質にすることができるようになります。Youtubeの場合は3Mbpsと同じ推奨値になっています。

・インターネット 〇快適
・ストリーミング配信 〇SD画質
・Youtube  〇720p

5Mbpsでできるようになること

5Mbpsでできることは以下のとおりです。ストリーミング配信が高画質(HD画質)で見ることができるようになります。

・インターネット ◎非常に快適
・ストリーミング配信 〇HD画質
・Youtube  〇1080p

Youtubeでは、4Mbpsと同じ推奨値となっていますが、回線の変動に対して1Mbps分の余裕ができるので、快適さが向上します。1秒あたり最大0.6MBのダウンロードです。

6Mbpsでできるようになること

6Mbpsでできることは以下のとおりです。5Mbpsと比較したとき、1Mbpsの差はあまり変わらないように感じるかも知れませんが、長時間ダウンロードする場合、所要時間が大きく変わってきます。また、回線の混雑状況が変動するとき、快適に通信できる時間がより長くなります。

・インターネット ◎非常に快適
・ストリーミング配信 〇HD画質
・Youtube  〇1080p

WiMAX2+の短期制限の速度

WiMAX2+の短期制限の速度は、公称1Mbpsですが、実は厳密にこの速度に制限されるわけではありません。回線状況によっては、それよりも速い3Mbps~6Mbps程度出る場合もあります。さすがにこれより高速通信はできないようですが、それでも速度制限中にこの速度で通信できるのは嬉しいですね。

7Mbpsでできるようになること

7Mbpsでできることは以下のとおりです。6Mbpsと比較して、さらに1Mbps通信速度が増加したことで、より安定して使えるようになります。

・インターネット ◎非常に快適
・ストリーミング配信 〇HD画質
・Youtube  〇1080p

オンラインゲームは快適?

オンラインゲームは快適かどうか、という点について言及しておきます。答えを先に言ってしまうと、快適ではありません。オンラインゲームはゲーム中にもダウンロードが発生したり、サーバーと高速に送受信しなければならないため、7Mbpsだと、RTTが不足するからです。オンラインゲームを快適にプレイするには、上下回線ともに最低限20Mbps程度は必要です。

【結論】2・3・4・5・6・7Mbpsのまとめ

2・3・4・5・6・7Mbpsのまとめをします。2Mbpsでできることは、最低限のことに留まります。インターネットの閲覧は動画が少なければストレスは小さいでしょう。動画が多いInstagram・Tiktokは遅さが目立ちます。

3Mbps~5Mbpsにかけて、回線の快適さが徐々に向上し、動画の画質は標準(SD画質)で視聴できるようになります。

5Mbpsを超えるとHD画質を視聴しても余裕が生まれますので、クオリティの高い映像作品をストリーミングで見ることができます。HD画質であれば、テレビモニターを使って視聴することもおすすめです。5Mbps~7Mbpsの通信速度であれば、ほとんどの用途で困ることはなくなります。

ただ、4K画質(UHD)を見るには、ハードルが急に高くなります。最低限、20Mbps以上の通信速度が必要です。

実測値で何mbps出る?回線速度の測定方法

実測値で何Mbps出るのか、回線速度を測定する方法を紹介します。

回線速度では実測値が大切

回線速度では実測値が大切です。通信回線はベストエフォート方式なので、実際の回線速度は混雑状況によって変動するからです。

ベストエフォート型について詳しくは以下で解説しています。

回線速度の測定方法

回線速度の測定方法を紹介します。各種無料サイト・アプリが公開されています。なかでも統計情報を公開しているサイトがお勧めです。

回線速度の計測方法は以下で解説しています。

まとめ

2~7mbpsは、主に格安SIMなど、必要最小限のデータ通信量で済ませる場合に該当する速度水準です。この速度水準になると、適した用途はかなり限定されてきます。そのため、契約する前に、どの用途なら問題なく利用できるのか把握したうえで契約することが望ましいです。本記事では1mbps単位での使用感の違いをご紹介しましたが、使用感には個人差がありますし、絶対的なものではありません。あくまで一つの参考として捉えて頂ければ幸いです。