Ping値とは?ネットの応答速度(ms)の測定方法・目安と改善方法

いまや家庭用のインターネット回線でも、光回線を使うことが一般的です。
光回線は「通信速度が速い」といわれますが、FPSなどのオンラインゲームや音声通話を快適に利用するためには、「通信速度」と同時に「Ping値」が”重要”というお話です。

この記事では、Ping値の正体と、Ping値の測定方法や改善方法について
お伝えします。オンラインゲームでラグに困っている方はぜひ参考にしてください。

Ping値(応答速度)とは?

ゲームやミーティングで使われる「Ping値」について確認をしていきましょう。

Pingとは?

Pingとはなんでしょう?
ピン、やピングと呼ばれますが、簡単にいうと、
ネットワークの世界で使われるツールのことをPingといいます。

Pingがどんなことをするツールかというと、

・通信元から通信先に対してメッセージを流します。
・通信先から通信元に対して、応答メッセージが返ってきます。
・メッセージの往復時間を計測します。

メッセージの往復時間は、RTTやラウンドトリップタイムと呼ばれたりもしますが、
要は「Pingはメッセージの往復時間を測定するツール」だと思ってもらって問題ありません。

もう少し掘り下げてお話をすると、

PingはICMPという通信プロトコルを使用して、通信元から通信先に対してパケット(echo request)を流し、通信先からパケット(echo reply)を受け取り、ネットワークの到達性を確認します。

例えば、急にサイトにアクセスできなくなったなどの問題が発生した場合に、該当のサーバに対してPingを打ち、正常に応答が返ってくることでネットワークの疎通確認
をして問題の切り分けをしたりするのです。

Ping値・応答速度・msの意味は同じ?

Pingの概要はおわかりいただけましたでしょうか?
では「Ping値」とは一体なんでしょうか?

Ping値とは・・・

・通信元から通信先に対してメッセージを流して返ってきた応答速度のことをいいます。

応答速度とは・・・

・モニター画面上の色の移り変わる速度を指したりもしますが、本記事ではメッセージの応答速度であるPing値のことを応答速度として表わします。

msとは・・・

・Ping値(応答速度)の単位を指し「10ms」などといったように、ミリ秒(ms)単位で表します。値が少なければ少ないほど応答速度が速いといえます。

Ping値(応答速度)が重要な場合とは

FPSなどのオンラインゲームや、Skypeなどの音声通話を快適に利用するためには、「通信速度」と同時に「Ping値」が”重要”です。

もしPing値が大きいと次のようなことが起きてしまいます。

 

FPSなどのオンラインゲームの場合・・・

・こちら側の攻撃が遅れて当たる。
・相手側の動きがカクカクしたり、瞬間移動する。
・サーバーとの通信が出来なくなり、プレイが中断される。
・アイテムをとっても、反応が遅い。

Skype(音声通話)の場合・・・

・音声が相手側に遅れて聞こえる。

 

Ping値が大きい、つまりは、応答速度が遅いとタイムラグが大きくなり上記のように快適な利用ができません。

リアルタイムに通信のやりとりをする場合は、Ping値が小さいとタイムラグが発生しないため快適に利用できるのです。
ただし、どちらか片方でもPing値が大きいとタイムラグが発生し、お互いの整合性がとれずに、処理の遅れなどが起こってしまいますので、双方のPing値が低いことが必要となってきます。

Ping値(応答速度)と同時に重要な速度

FPSなどのオンラインゲームや、音声通話を快適に利用するために必要な要素として、Ping値のほかに、ネットワーク回線の通信速度があげられます。

通信速度には上り(アップロード)と下り(ダウンロード)がありますが、
必要となるケースが多く重要なのは下り(ダウンロード)となります。
下記を使用するにあたって、下り(ダウンロード)は10Mbps~30Mbpsあれば問題ないでしょう。

 

上り(アップロード)
・メール送信
・SNSへの画像や動画のアップロード

下り(ダウンロード)
・メール受信
・SNSでの画像や動画のダウンロード
・音楽のストリーミング再生
・FPSなどのオンラインゲーム

 

なお、高画質動画(4K)のストリーミング再生では、30Mbps以上が必要な通信速度の目安となります。

Ping値(応答速度)の目安は?

下記を使用するにあたって、快適に使用できるPing値の目安は30ms程度となります。

LINEやSkypeなどのチャットツール
ネットワークブラウザでのサイト閲覧
YoutubeやAmazonPrimeなどの動画再生

これらは、応答速度よりも安定した通信のやりとりが必要になってくるため、Ping値以上に「回線の安定性」が重要となってきます。

Ping値が重要となってくるのはオンラインゲームが代表的です。
オンラインゲームではジャンルによって必要となるPing値が変わってきます。
FPSなどのタイミングがシビアなジャンルは、Ping値が大きいとタイムラグが起きて快適なプレイができません。FPSではPing値が重要な要素であるため、ゲーム内でPing値を確認できるタイトルも多くありますので、ぜひチェックしてみてください。

オンラインゲームでのPing値の目安は下記を参考にしてください。

 

 

ジャンル 代表的なタイトル Ping値

(推奨値)

FPS、対戦型格闘ゲーム Battlefield、Call of Duty、Halo、Crysis

、Counter-Strike、ストリートファイターなど

10ms〜30ms
MMORPG FF14、黒い砂漠、ラグナロクオンラインなど 30ms〜

50ms

テーブルゲーム 将棋、ポーカー、麻雀など 50ms〜

100ms

Ping値(応答速度)を測定してみよう

それではPing値について理解できたところで実際に測定をしていきましょう。

また、その他スピードテストは「スピードテスト/回線速度のおすすめサイト12選」で詳しく解説しています。ゲーム以外のインターネット全般(動画やネットサーフィン)は上記でわかります。

Ping値(応答速度)のおすすめ測定サイト4選

Ping値のオススメ測定サイトを紹介します。

まずはWebブラウザで使用できるオススメサイトはこちらです。

SPEEDTEST

http://www.speedtest.net/ja

SPEEDTESTはシンプルな画面操作でPing値を計測することが出来ます。使いやすいためオススメです。通信先サーバを選択することができるのも特徴のひとつです。

計測できる項目は下記となります。

Ping値(ms)
通信速度(Mbps)アップロード/ダウンロード

こちらもWebブラウザで使用できるオススメサイトとなります。

SourceForge Speed Test

https://sourceforge.net/speedtest/

SourceForge Speed Testは英語サイトとなりますので、最初は慣れが必要になるかもしれませんが、様々な項目が計測可能です。SPEEDTESTよりも詳細な情報を知りたい場合は、オススメのサイトとなります。

計測できる項目は下記となります。

Ping値(ms)
通信速度(Mbps)アップロード/ダウンロード
パケットロス
Jitter(ジッター)
Bufferbloat(バッファ ブロート)

ここでPing値と通信速度以外の用語が出てきたので補足します。

パケットロスとは、通信中にパケットが消失してしまうことを指します。
パケットロスの起こる頻度をパケット・ロス率といって、単位は回(Times)で表します。値が少なければ少ないほど通信が安定しているといえます。

Jitter(ジッター)とは、通信の応答にかかる遅延時間(レイテンシ)の揺らぎを指します。
単位はミリ秒(ms)で表します。 Ping値にばらつきがあると通信が安定していないということになりますので、パケットロス同様に、値が少なければ少ないほど通信が安定しているといえます。

Bufferbloat(バッファ ブロート)とは、過剰な送信パケットにより生じる遅延を指します。
単位はミリ秒(ms)で表します。値が大きいと、端末間のスループットが大きく低下し、通信品質が悪くなる要因となります。Jitter(ジッター)同様に、値が少なければ少ないほど通信が安定しているといえます。

スマートフォンなどで使用できるオススメアプリはこちらです。

Speedtest.net

GooglePlay
https://play.google.com/store/apps/details?id=org.zwanoo.android.speedtest&hl=ja

AppleStore
https://itunes.apple.com/jp/app/speedtest-net-speed-test/id300704847?mt=8

SPEEDTESTのアプリ版となります。Webブラウザと同様にシンプルな操作性となっています。

また、サイトやアプリ以外でのPing値測定も可能です。
PC上で確認できますので参考にしてみてください。

○Windows(Windows10の場合)
※コマンドプロンプトは、画面左下のWindowsアイコンを右クリック→コマンドプロンプトから起動できます。

1.コマンドプロンプトを起動します。
下記コマンドを入力し、enterボタンを押下します。
2.ping www.google.co.jp
3.Ping値を確認します。(最終行の平均 = XXms)

○Macintosh(macOS Mojave 10.14.3の場合)
※ネットワークユーティリティはアプリケーション→ユーティリティから起動できます。もし見つからない場合は、メニュー右上の虫めがねアイコン(Spotlight検索)から検索することもできます。

1.ネットワークユーティリティを起動します。
2.Pingタブをクリックします。
3.PINGコマンドを送信するネットワークアドレスを入力してください。の欄に「www.google.co.jp」と入力します。
4.送信回数の欄に「10」と入力します。(デフォルト値)
5.Pingボタンをクリックします。
6.Ping値を確認します。(time = XX.XXXms)

Ping値(応答速度)の測定手順

「SPEEDTEST」を例にしてPing値の測定手順を解説します。

ブラウザから下記サイトにアクセスします。
http://www.speedtest.net/ja

GOボタンをクリックします。
ping値 測定

Ping値(ms)と通信速度(Mbps)のアップロード/ダウンロードの計測結果が表示されます。下記の例では、Ping値が7ms、ダウンロードが23.50Mbps、アップロードが23.32Mbpsとなりました。
ping値 アップロード ダウンロード

※下記のように通信先のサーバを変更することも可能です。
ping値 測定結果

Ping値(応答速度)を改善する方法7選

Ping値を改善する方法を7つご紹介します。
上から順に試しやすい方法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.ルーター、モデム、端末本体の再起動

ルーター、モデム、PCなどの端末を再起動してみましょう。
通信速度に関わる設定がリセットされますので、Ping値が改善する場合があります。

2.無線LANから有線LANに変更

無線LAN接続は、ノイズの影響を受けやすい傾向があります。
通信の安定性や速度を求めるのであれば、無線LANから有線LANに変更することをオススメします。

3.無線LANの中継器や設置場所の変更

もし、宅内環境が無線LANしか使用できない場合は、無線LANの中継器を設置すると
電波強度が増しますので、Ping値が改善する場合があります。
また、無線LANルーターを適切な場所に設置することも重要です。
電子レンジなどの電子機器の近くに設置していると、ノイズの影響で通信に影響が出る場合があります。
古い無線LANルーターを使っていないかも合わせて確認しましょう。もし、WiFiの通信規格が「IEEE802.11b」だと最大で11Mbpsしか速度が出ないため、それ以上の性能がある無線LANルーターに交換しましょう。

4.使用時間帯の見直し

同じ宅内のネットワークで他の方が大量データをダウンロードしていたり
すると通信が不安定になる場合があります。
また、マンションプランなどの契約をしている場合、回線の混雑状況によって通信速度が変わる場合がありますので、使用する時間帯を変更することもひとつの改善策となります。

5.回線業者とプロバイダーの変更

「auひかり」や「NURO光」などの光回線がオススメです。
最大通信速度はGbps単位で、Ping値も安定しています。

6.LANケーブルの交換

LANケーブルの通信規格が古い場合、通信速度に影響を与えている場合があります。
「Cat6a」や「Cat7」の高性能なLANケーブルを使用することをオススメします。

7.ゲーミング用の製品を使用する
(モニター、ルーター)

ゲーミング用の製品はPing値を考慮した製品が多く発売されています。
特にFPSなどのオンラインゲームでは、モニターの重要性が高いです。
BenQやASUS、IO-DATAなどから発売されているPing値(応答速度)が1ms以下のゲーミングモニターがオススメです。

下記は、BenQから発売されているe-sports専用のモニターとなります。

BenQ RL SERIES/XL SERIES
https://zowie.benq.com/en/product/monitor.html

また、テレビでもゲームモードが設定されていてPing値(応答速度)が1ms以下
の製品が発売されています。
東芝からは、映像遅延時間が0.83msに短縮されるゲームモードを搭載したテレビも発売されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

東芝REGZA Z810X SERIES
http://www.toshiba.co.jp/regza/lineup/z810x/function_02.html#function0205

ゲーミング用のWiFi無線ルーターに交換することもオススメです。
次世代WiFi6(802.11ax)の技術で通信速度は1000Mbps以上、タイムラグを減らすAiMesh機能を搭載していたりとオンラインゲームに特化したルーターがASUSから発売されています。

ASUS ゲーミングルーター
https://www.asus.com/jp/Gaming-Networking/Gaming-Routers-Products/

まとめ

・FPSなどのオンラインゲームはPing値(応答速度)が重要です。
(快適に利用できる目安は10ms〜30ms)
・Ping値を測定して、現在の通信状況を知りましょう。遅いようであれば、本記事の改善策を参考に環境を見直しましょう!