回線速度が快適に使える目安を5分で解説【どれくらい必要?】

様々な用途で快適に使える回線速度目安について、包括的に記述してある記事をお探しの方はいませんか?本記事では、そうした方に向けて、必要な情報を提供することを意図して執筆しました。また、その目安に到達しているのか、実際に出ている速度を確認する必要がありますから、そのためのスピードテストに関する記事へのリンクもあります。本記事を読んで頂ければ、どのような用途にはどの程度の回線速度が必要なのか、簡単かつ網羅的に把握することが可能です。これにより、日常的な快適さを維持しやすくなるとともに、通信状態が悪いときの状況判断の的確さが向上します。

回線速度(通信速度)の単位

回線度(通信速度)の単位は、bps(ビー・ピー・エス)で、読み方は『ビット・パー・セコンド』です。1秒間あたりに何ビットのデータを送信できるかを示す単位です。ほとんどの場合、Mbps(M=メガ)で表記されることが多いです。

下り・上り

下り・上りとは何のことだと思いますか?これは通信回線の送受信の方向のことです。インターネット上のサーバーからユーザー端末側へデータをダウンロードする方向が下り、その反対を上りと言います。

下り(ダウンロードスピード)の目安

下り(ダウンロードスピード)の目安は、20Mbpsです。この20Mbpsは、ほとんどの用途で快適に利用できる値です。普及している通信技術において十分余裕を持って確保できるので、目安として適切です。

上り(アップロードスピード)の目安

上り(アップロードスピード)の目安は、10Mbpsです。この速度なら、前項と同様、ほとんどの用途で問題なく利用できますし、容易に通信環境を確保できます。オンラインゲームの場合、最低限10Mbpsは無いと遊べない作品が増えてしまうので、これを上り側の目安と考えましょう。

【用途別】快適に使える回線速度の目安

用途別に快適に使える回線速度の目安をご紹介します。ここで紹介している値は、推奨値ギリギリではありません。多少の回線負荷の変動による低速化が生じても、引き続き十分快適に利用できる値を目安としています。ですので、安心して参考にして頂くことができます。

ウェブページ閲覧

ウェブページ閲覧の通信速度は、情報記事サイトは1Mbps、イラスト・写真サイトは5Mbpsです。情報記事サイトでは、ほとんどの場合テキストと少数の軽量な画像で構成されています。この場合1Mbpsで十分です。イラストサイト・写真サイトは圧縮率が低くサイズが大きい画像が多いので、5Mbps程度ある方が快適です。

メール受信

メール受信は、テキストメールだけなら128Kbpsで問題ありません。画像も送るなら1Mbpsが目安になります。10MB以上の極端に高画質の画像・動画を送りたい場合は、クラウドのファイル転送サービスを使うようにしましょう。

ネットショッピング

ネットショッピングでは、多数の画像をダウンロードすることになるので、1Mbpsは必要です。画像が頻繁に更新されないため、キャッシュが効きやすいので、初回表示の遅さを我慢すれば300kbpsでも利用可能です。

LINE・SNS

LINE・SNSでは、20Mbpsあるとタイムラインの閲覧が快適です。「そんなに必要?」と感じますか?これには理由があって、Tiktok・Instagramなどの動画・画像主体のSNSは多数の新しい動画がタイムラインに流れてくるので、通信速度が必要とされるからです。ですから、20Mbpsを目安として考えることをおすすめします。

音楽

音楽では、高音質のストリーミング再生でも1Mbpsあれば十分です。理由は、ほとんどの音楽ストリーミングサービスで、高音質の推奨回線速度が500kbps以下だからです。ですから、回線の混雑状態の変動を加味しても、1Mbpsあれば十分余裕があります。

Skype

Skypeを快適に利用するためには、2Mbps程度の回線速度が上下ともに必要です。これは、HD画質のビデオ通話も十分快適になります。2Mbpsという回線速度は現在の通信環境では簡単に導入できるので、この値を目安にすることをお勧めします。

YouTube動画(sd~hd)

YouTube動画(sd~hd)を快適に視聴するためには、10Mbpsあれば十分です。YouTubeの公式情報としては、HD画質の推奨値は下り5Mbpsなのですが、2倍の10Mbpsをおすすめします。理由としては、まず普及している回線の中で10Mbpsを下回るものは、その水準の格安SIMを狙って購入しない限りほとんど存在しないため、無理なく導入できることがわかっているからです。

YouTubeは以下の記事で解説しています。

ニコニコ動画

ニコニコ動画は、プレミアム会員の6Mbpsの配信ビットレートが最高画質です。ですが、Youtubeなどの他の動画配信サービスも利用する場合は、より高い方のビットレートを目安にする方がよいでしょう。前項で、Youtubeの目安として10Mbpsを提案していますので、ニコニコ動画もこちらがおすすめです。

4K

4K画質の映像作品を視聴する場合は、25Mbpsが必要です。これは大手コンテンツ配信事業者で最も高い数値なので、この回線速度があれば、どのようなサービスを利用するとしても快適さが確保されます。これより余裕を持たせるとなるとやや実現が難しい場合が出てくるので、ここは推奨値を若干超える程度ですが、25Mbpsをおすすめします。

オンラインゲーム

オンラインゲームでは、複数のプレイヤーが参加し、サーバーを経由して情報交換するので、下り回線速度だけでなく上り回線速度が必要です。プレイ環境にどの程度の情報量があるかで快適な回線速度の目安は多少変化します。どんなゲームでも快適にプレイすることを目的にする場合は、上り下りともに30Mbpsを目安にしましょう。

スプラトゥーン2

スプラトゥーン2は公式情報としては推奨回線速度が明かされていませんが、様々なプレイヤーが検証しており、その結果、20Mbps~30Mbpsであれば問題なくオンライン対戦プレイができることがわかっています。回線に余裕があれば、高い方の値である30Mbpsで遊ぶと無難です。

グラブル

グラブル(グランブルーファンタジー)は、ソロプレイを基本としたブラウザRPGです。一部のクエストでは最大4人までの共闘ができます。MMOとは異なり、環境同期の負荷は非常に低く、上り下り5Mbps程度で快適にプレイできます。

ポケモンgo

ポケモンGoは、基本はソロプレイのRPGゲームです。ジムで他のプレイヤーと対戦する場合は1vs1になります。最も同時参加プレイヤー数が多いのはレイドバトルで、最大20人まで参加できます。これは、FPSなどのMMOと比較して非常に少ない人数です。戦闘方式はターン制で、かつ戦闘中のプレイに関係するアイテム数がMMOに比較してとても少ないことから、環境同期のための情報が全体的に少なく、サーバーの負荷が小さいです。ですので、上り回線の必要速度も小さくなります。結論としては、ポケモンGOを快適にプレイするためには、1Mbps程度で十分です。

ニンテンドースイッチ

ニンテンドースイッチの無線規格はWi-Fi5(802.11ac)です。ただ、本体に搭載されている回線速度測定機能を使って検証すると、その規格の理論値である6.9Gbpsは出ません。下り40Mbps・上り15Mbps程度の通信速度になります。これは、ニンテンドースイッチの仕様で制限していると思われます。実際のところこれは必要充分な速度で、しかも携帯ゲーム機にとって問題である消費電力や発熱量を最小限にするという点で、理にかなっています。

モンスト

モンストは、先述のグラブルと同様、最大4人まで同時にプレイできるターン制のパズル風RPGゲームです。この作品は、ターン制であることに加えて、プレイフィールドが狭くキャラクター数やアイテム数が非常に少ないので、先述のポケモンGoよりもさらにリアルタイム性が必要ないシステムなので、1Mbps程度で快適にプレイすることができます。

Steam

Steamというのは、ゲーム販売ポータルサイトのことです。世界中のゲーム開発者が、PC・スマホなどSteamを経由して独自のゲームを販売しています。Steamを利用する場合に問題になる回線速度はプレイするゲームの方の問題になります。ですので、最も回線速度が必要となるFPSゲームの目安である、上下30Mbpsを最低限の目安としましょう。そうすれば、どのゲームでも快適にプレイすることができます。

steamの速度が遅いときの対処法は以下でも解説しています。
https://saisoku-area.com/steam

FPS

FPSは、ゲームの中で最も回線速度が必要とされる種類のゲームです。これは、サーバーが多人数の環境同期をしなければならないため、プレイヤーもそれに支障を与えない速さで送受信しなければならないからです。そのためには、下り回線速度だけでなく上り回線速度も重要になります。上り・下りどちらも30Mbpsの実測値であれば、快適にプレイできますので、これを目安としてください。

動画配信(ニコ生主・ゲーム実況)

ニコ生主・ゲーム実況などリアルタイムな動画配信をする場合、上り20Mbps程度必要です。これは、ニコ生の最大推奨ビットレート10Mbpsの2倍、Youtubeの4K画質を除く動画ビットレートの推奨値を少し超える値です。視聴者が動画配信を快適に視聴するためには、配信者はより高速にサーバーへアップロードする必要があります。20Mbpsの上り回線速度であれば、どのような配信サービスを利用しても、4K画質を除けば、視聴者へ十分な速度で配信できます。

配信の回線速度は以下の記事で解説しています。

回線速度(通信速度)の測定方法(スピードテスト)

回線速度(通信速度)の測定(スピードテスト)をすると、端末を利用しているときに、実際にどのぐらいの速度で通信しているのかわかり、とても便利です。そのためには、無料サイト・無料アプリが多数公開されており、手軽に利用できます。

回線速度の測定方法は以下で解説しています。

回線速度(通信速度)が遅い時の対処法

回線速度(通信速度)が遅いときの対処法を挙げますので、まさにそういう状況で困っている、という方はぜひ参考にしてください。

回線速度が遅いときの対処法は以下でも解説しています。

下り(ダウンロードスピード)が遅い時の対処法

下り(ダウンロードスピード)が遅いときの対処法は、以下のリンクにまとめてあります。ストリーミングによる映像・音楽の視聴によるトラフィックが多くなるので、事業者側回線負荷が高くなりやすいのが特徴です。

下り速度は以下でも解説しています。

上り(アップロードスピード)が遅い時の対処法

上り(アップロードスピード)が遅い時の対処法は、以下のリンクにまとめました。上り側はストリーミングによるトラフィックはありませんが、ゲームやクラウドサービスなど、サーバーへの負荷集中がある場合に遅くなりやすいことが特徴です。

上り速度は以下の記事でも解説しています。

まとめ

ここまで、各種用途で快適に利用できる目安となる回線速度をご紹介してきました。また、それに加えて、ほとんどの用途で、十分快適に利用できる環境が簡単に手に入るということがイメージできるようになって頂けたのではないでしょうか。紹介した中で最大の数値は、スプラトゥーンの30Mbpsです。これは動画配信サービスの最高画質である4K画質も視聴できる水準です。この30Mbpsは、現在の普及している無線LAN端末であれば無理なく実現できる値なので、どれか1つを推奨するならこの値になります。ぜひ本記事を参考として、快適なインターネット&ゲームライフを送って頂ければ幸いです。