dBmとは?読み方や変換【電波強度の単位をわかりやすく】

dBmというものが一体何なのか、全然わからないという方は、ぜひ本記事を読んで頂きたいです。本記事は、そんな悩みを持っている方のために書きました。dBmの読み方などの初歩的な知識からはじめ、次に、数学的にどのような意味があるのかを簡単かつわかりやすく説明します。そして最後に、なぜ無線電力をdBmで表現するとよいのか、ということを説明します。これらのことが迷わずしっかり理解できるように、短い文章に区切って説明しています。本記事を読んで頂ければ、dBmについて正確に意味を理解でき、それに伴い、dBmで表現された無線機器の性能がはっきりイメージできるようになります。

dBmとは?

dBmとは電力をより少ない桁数で表したものです。0dBmが1mWを表しています。数学的に表現すると、『10を底とした対数』です。これはどういうことかというと、『10の何乗なのか』という意味です。

無線LAN(Wi-Fi)の電力強度を表す単位

無線LAN(Wi-Fi)の電力強度を表す単位として、dBmが利用されています。任意の値として例えば10dBmと記載されている場合、電力を表しており、0dBm=1mWからどの程度違うのかを示します。10dBmは10mWですが、20dBmは20mWではありません。不思議ですね!なぜそうなるのか、1つずつ解説していきます。

・受信感度について
受信感度もdBmを使います。これは、「公称の誤り性能を満たすことができる最小の受信電力」を表しています。つまり、Wi-Fiなどの無線用アンテナが、電波の信号を間違えずにきちんと理解できる限界の値ということです。そのため、非常に小さな値になります。一般に、後述する負のdBmで示します。

読み方

読み方は、『ディー・ビー・エム』です。『デシベル・ミリワット』が正式な呼称なのですが、長いので、実際にはほとんど前者が使われます。

なぜdBを使う?

なぜdBを使うのかを説明するには、少しだけ数学的な説明が必要になるので、根気よく読んで頂く必要があります。まず、dBは、『倍率』を表しています。例えば、20dBは100倍、30dBは1000倍、-20dBは100分の1倍を表しています。また、dBは、dBmやdBに対して、加算・減算をしてもよいという法則があります。

・dBで表現するメリット
dBで表現するメリットは、下の通りです。

①数百倍・数千倍・数千分の1など桁数が多い値を、少ない桁数に変換できる
②桁数の多い乗算・除算を、簡単な足し算・引き算に変換できる

例えば、以下のような計算式になります。

・0dBm(1mW)+30dB(x1000)=30dBm(1000mW)
・30dBm ー 20dB(x1/100)=10dBm(10mW)

3桁や4桁の値で乗算したり除算するより、2桁の加算・減算の方が圧倒的に簡単ですよね!このように、dBmに対してdBを加算・減算することで、簡単に結果を求めることができます。

dBmとmWの違いや変換

dBmとmWの違いや変換方法を解説していきます。やはりここでも数学が関係しているため、説明がやや複雑になるので、順を追って少しずつ進んで行きましょう。

・dBmとmWの違い
dBmとmWの違いは簡単です。mWは現実の電力値そのままです。それに対してdBmは、後述する数式によって変換された、『対数』というものです。

・対数はどんな場面で有益なのか?
対数がどんな場面で有益なのかというと、『急激な変化率を持つ値を扱う場合です。これはすなわち、『指数関数的に変化する値』です。

・指数関数とは?
指数関数とは、簡単に書くと『Y=AX^B』の形で表される数の集まりです。これは、Xが増大するにつれて爆発的にYが増大するという性質があります。ということは、大きなXを扱うときに計算が大変になってしまうという弱点があります。

・指数関数を対数にするとどうなる?
指数関数を対数に変換するとどうなるでしょうか?実は、対数関数は指数関数のグラフに対して『Y=Xの直線に対して対称』という性質があります。それはつまり、『Xが増大していってもYがあまり増大しない』形になることを意味します。ということは、『計算がとても簡単になる』ということなのです!!

・なぜ電波に対してdBを使うの?
なぜ電波に対してdBを使うのかというと、先述した扱う桁数が減るという利点に加えて、伝送路全体の利得計算が簡単になるからです。電波を送受信するシステムは、複数の増幅点・減衰点があります。その利得計算が簡単な足し算・引き算の繰り返しでできるというのは、伝送路設計の現場において、とても効率が良いのです。

変換・換算方法

変換・換算方法を紹介しましょう。以下の計算式によって、電力値をデシベル表現に換算することができます。

10 ✖ log10 (出力電力 ÷ 入力電力)

基準となる入力電力は、1mWです。例えば、1000mWをデシベルに変換する場合、『10✖log10(1000÷1)=10✖3=30dB』となります。結果は、『出力と入力の比が、10の何乗で表せるか』、という意味です。これを加算・減算するということは、『何乗になるか』の部分を増減して決定しているので、倍率を操作していることになり、乗算・除算の変わりができるわけです。

dBとdBmの違いや計算・換算表

dBとdBmの違いや計算・換算表を紹介していきましょう。

10dBは何倍?

10dbは何倍かというと、10倍になります。-10dBになると、10分の1倍になります。再度述べますが、このdBという値は、dBmに対して加算・減算してよいという法則があります。

・計算例:10✖log10(10÷1)=10✖1=10dB

dBがマイナス?

dBがマイナスの場合、それを基準値に加算(=減算)することは、基準値1mWを除して小さな値にすることを表しています。例えば、10分の1など、基準値より少なくなる場合に、マイナスで表現します。

・計算例: 0dBm-10dB=-10dBm=0.1mW

デシベルの足し算

デシベルの足し算は、基準値1mWを何倍するかを表しています。

・計算例: 0dBm+10dB=10dBm=10mW

計算式と対応表

計算式と対応表を以下に掲載します。これを見ると、dBをすぐに実際の電力値に変換できて便利です!

デシベル(dB) 電力・音響パワー等

の倍率

-6デシベル 0.25倍
-5デシベル 0.32倍
-4デシベル 0.40倍
-3デシベル 0.50倍
-2デシベル 0.63倍
-1デシベル 0.79倍
0デシベル 1.00倍
0.1デシベル 1.02倍
0.25デシベル 1.06倍
0.5デシベル 1.12倍
0.75デシベル 1.19倍
1デシベル 1.26倍
2デシベル 1.58倍
3デシベル 2.00倍
4デシベル 2.51倍
5デシベル 3.16倍
6デシベル 3.98倍
7デシベル 5.01倍
8デシベル 6.31倍
9デシベル 7.94倍
10デシベル 10.00倍
20デシベル 100.00倍
30デシベル 1000.00倍
40デシベル 10000.00倍
50デシベル 100000.00倍
100デシベル 10000000000倍

まとめ

電波の強さを表すのにdBmを使用します。これはdBを加算・減算することで簡単に計算できます。本記事では、dBmの意味と計算上の仕組みについて、できるだけシンプルになるよう心がけて解説してきました。指数関数と対数関数の関係がわかると、とても理解しやすいですね。そこから実務上の計算の面倒さに思い至れば、なぜ電波の電力を表現するのにdBmを使うのか、明確に理解できますね。これで、dBmについてもう迷うことがなくなり、誰かに質問されても自信をもって答えることができるようになったのではないでしょうか!そして、アンテナの性能がはっきりイメージできるようになったはずです。わかってしまえばとても単純明快なことだったのです。身近な人がdBmやdBで迷っているのを見つけたら、ぜひ本記事を参考に、優しく丁寧に解説してあげてください。