帯域制限という言葉を聞いたことがありますか。今まではスムーズにデータのアップロードやダウンロードができていたのに、急にできなくなったとお困りの方はいらっしゃいませんか?もしかすると、プロバイダ側で「帯域制限」がかけられてしまっているかもしれません。
さて、帯域制限とは一体何なのか、なぜかけられてしまうのか、どんな時にかけられてしまうのか。そんな疑問を解消するために帯域制限についてご説明していきます。実は、帯域制御は通信品質を保証するために必要な機能でもあるのです。インターネットの使い方を見直す良いきっかけになるかもしれません。
また、帯域制御が頻繁に起こるときは帯域制限なしのプロバイダへ乗り換えも検討しましょう。
帯域制限(帯域制御・帯域規制・転送量規制)とは
定額制のインターネットサービスにおいて行われる帯域制限。データ通信量が特に多い利用者に対して、利用可能なデータ通信量をプロバイダ側で制限することをさしています。別名「帯域制御」「帯域規制」「転送量規制」などとも呼ばれています。さらに一般には呼び方も多く、ダウンロード制限、アップロード制限、容量制限、速度制限、速度規制、通信制限、データ規制、帯域制限と呼ばれることもあります。
帯域制限では通信速度が制限される
帯域制限をされてしまうと、通信速度が制限されます。今まで通りのスピードが出なくなり、少し遅いと感じるかもしれません。
例えば、3日で30GB利用した場合、3週間程度3Mbpsくらいしか速度がでないよう制限されたり、規制が厳しいプロバイダは1Mbps以下しかでないように制限されることもあります。
1~7mbpsの低速環境の影響は以下の記事で解説しています。
プロバイダ側は完全に提供を止めることはできません。回線を少しでも確保するために、データ利用量が著しく多いと認められた利用者の速度を落とし、対処しているのです。
快適なネット速度は以下の記事で解説しています。
解除するには?
帯域制限は、ユーザーが解除することはできずプロバイダ側の解除を待つしかありません。プロバイダは通信の込み合う時間帯に帯域制御を実施するため、時間帯は夕方18時から翌日2時、夕方20時から翌日0時が多いと言われています。プロバイダによっては朝6時から翌朝6時まで24時間実施する場合もあるようです。
「P2P規制(P2P制限)」とは
P2P(ピーツーピー)はPeer to Peer の略語で、スマホやパソコンなど端末同士が繋がって通信ができる技術のこと。LINEでもこの技術が利用されています。しかし大きなファイルや動画などのデータの共有で利用されることが多いため、インターネット界隈では、P2Pに対して規制が厳しくなっています。P2Pはプロバイダありきで成り立つものです。大量のデータがやりとりされた場合、回線は圧迫され、他ユーザーに影響が及びます。そういったことを防ぐため、P2P規制をしているプロバイダが存在するのです。
帯域制限の転送量の目安・警告は?
帯域制限が発生するデータ転送量がかからないように自分で調整したい人もいますよね。
転送量の目安は?
帯域制限の目安は、プロバイダが明言していないことが多いのですが、1日30GB以上のや3日間で150GBのデータ通信という情報が多いです。動画ファイルのダウンロードやゲームをすると超えてしまう場合もあります。
事前の警告はある?
帯域制限は、多くの場合単に回線が制限されるだけです。警告なく行われる場合がほとんどですが、プロバイダによっては電話やメールで警告する場合もあるようです。
プロバイダの帯域制限を確認する方法
帯域制限をかける判断基準はプロバイダ(isp)によって様々です。1日のデータ利用量から判断する場合もあれば、混雑時にデータ使用量が多い方から順番に速度が制限される場合もあります。それらは契約時の書類に記載されているかもしれません。
- So-net:1日で上り30GB使用(確認できているのはauひかり回線のみ)
- ピカラ:3日で上り150GB使用
- OCN:混雑時、データ使用量が多い利用者順に制限
- @nifty:混雑時、データ使用量が多い利用者順に制限
- biglobe:混雑時、データ使用量が多い利用者順に制限
有名どころのプロバイダはこのように制限を設けているところが多いです。
帯域制限をかけられた際、特に通知がくるわけではありません。帯域制限の有無を確認したい時は、ご自身のプロバイダに直接問い合わせるのが良いでしょう。
プロバイダの帯域制限の原因・必要性
私たち利用者が帯域制限がかけられてしまう原因、プロバイダが帯域制限をかける必要性とは一体何なのでしょうか?
帯域制限はなぜ起こる?
インターネット利用者の視点からみた場合、
どのような使い方が原因で帯域制限がかかるのでしょうか。
他のユーザーと比較して、データの通信量が格段に多い方は、プロバイダに帯域制限をかけられてしまいます。
例えば、1日で15GBのデータ通信を行ったり、3日で30GBのデータ通信を行ったりと、短い期間で動画を大量にダウンロードしたり、運営しているホームページに容量の大きいデータをアップロードしたりしていると、プロバイダ側で規制され、結果として帯域制限をかけられてしまいます。場合によっては混雑している時間帯に、データ通信量が多い利用者から順番に一時規制をかけるということもあります。
帯域制限されるのはなぜ?
不特定多数のユーザーが使っているインターネット回線で、1人のユーザーが大量にデータ通信を行うと、当然回線は逼迫します。他のユーザーは影響を受け、「速度が遅い」や「回線が不安定だ」といった不満が出てくることになります。帯域制御の目的はユーザーの通信品質やネット接続を保証し、不平等をなくすことです。
全ユーザーの快適な通信機能の実現を優先するために、特定のユーザーを帯域制限をして取り締まっているのです。プロバイダには、すべてのユーザーに平等なサービスを提供する義務があるのです。
シェーピング
帯域制限では「シェーピング」という方式が採用されていることが多いです。シェーピングとは時間毎で送信可能なデータ量に上限を設けて、通信料を一定にする手段です。上限を超えたデータは一旦「キュー」と呼ばれる場所に、送信ができるようになるまで保管されます。このシェーピングによって、帯域制限をかけられた利用者は速度が遅くなったと感じるのです。
帯域制限の時間帯・長さ
帯域制限を行う目的は、回線混雑の緩和です。そのため、利用者の多い夕方〜夜にかけて帯域制限が行われることが多くなっています。通勤時間の7時〜9時、お昼時間の12時〜13時なども利用者は十分に多くなるため、制限がかかる場合があるようです。
OCN、@nifty、biglobeなどは混雑と判断した時間帯に実施し、解消次第解除されます。時間帯や長さに関しては、HP上に公表していないところも多いです。
光の帯域制限
帯域制限を行う光回線の事業者はかなり少なくなっています。あってもダウンロードはほとんど制限がなく、アップロードの上限が決まっているケースがほとんどです。しかしその中で、P2P規制は行うという事業者はいくつか存在します。
ぷららやToppa!などのプロバイダは、P2P規制をしているようです。P2Pネットワークで大量にデータ送受信されてしまうと回線は大きな影響を受けるため、取り締まるのはやむを得ないのかもしれません。
ADSLの帯域制限
集合住宅にひかれた1つの回線をわけあって使っているADSLでも、もちろん帯域制限が行われることがあります。ADSLは特に、一人が使えば他の入居者への影響が大きいです。帯域制限で取り締まれば、平等に回線を共有することができるのです。
帯域制限を回避するための対策
会社、企業でページの表示に障害が発生してしまうと仕事に問題が出ますよね。快適にインターネットを利用するため、帯域制限の対策方法をご紹介します。
短時間で大容量のデータ通信をしない
短い期間で容量が大きいデータを送受信してしまうと、やはり帯域制限の対象となってしまいます。1日中、P2Pネットワークでデータのやりとりを行っていたり、動画のアップロード/ダウンロードを行っていたりすると、プロバイダが設けている帯域制限の基準に達してしまいます。
契約プロバイダの規則を知る
まずはご自身が契約しているプロバイダの帯域制限における基準を調べてみましょう。契約時にもらった書類で約款を確認したり、直接問い合わせたりしましょう。
※プロバイダによっては帯域制御の条件を非公開にしているケースもあるようです。
ユーザートラフィックの監視
特定の状況で通信品質が低下する場合は、会社、企業のネット環境が悪意のある攻撃を受けている可能性もあります。ユーザートラフィックの監視ツールで検索ではないトラフィックが発生しているか確認しましょう。
「帯域制限なし」のプロバイダに変更しよう
プロバイダによってはP2P規制を行っていなかったり、帯域制限がなかったりと、非常に寛容な場合があります。現在の契約プロバイダが帯域制限に厳しいのであればプロバイダを変更するというのも一つ手段です。よく事前に調べた上で乗り換えましょう。
調べてみると、中には制限がないプロバイダも存在します。
- 府中インターネット
- ちょっパヤ!インターネット
- かもめインターネット
など、あまり名前は知られていませんが、知る人ぞ知る制限がないプロバイダです。思い切って乗り換えてみると、快適に利用できるかもしれません。
帯域制限されやすいプロバイダ
帯域制限されやすいプロバイダは一体どんなプロバイダなのでしょうか。まず一つ言えるのは、大手のプロバイダは帯域制限をしていることが多いということです。
OCN、biglobe、ぷららなどは帯域制限がされやすいと言われています。守るべき利用者の数も多く、不平等さが出ないように取り締まる必要があるのです。1日の転送量よりもP2Pソフトの利用を厳しく制限しているプロバイダが多く存在します。プロバイダ側としては、バランス良き安定したサービス提供をするための苦肉の策といえるかもしれません。
まとめ
帯域制限は、すべての利用者が平等なサービスを受けれるよう、プロバイダが行っている規制です。大量のデータのやりとりをしたあと、速度が落ちたと感じることがあれば、帯域制限がされているかもしれません。データの使用量を日ごとに分散して使うなどと少し工夫すると、効率よくインターネットを利用することができるようになるかもしれません。