「最近Wi-Fiの速度が遅いな~」
「Wi-Fi使い始めたけど、有線に比べて速度が遅い」
「Wi-Fiがブツブツ途切れる、場所によって繋がりづらい!」
ご自宅でWi-Fiを利用する上で、そのようなお困りごとはありませんか?
今回は、一緒にWi-Fiの仕組みを知り、遅くなってしまう原因とその改善方法をご紹介していきます。意外にも起きていることは単純で、深い知識がなくても改善につながるかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。
Wi-Fiとはそもそも何?
Wi-Fiとはケーブルなし(無線)で機器同士をネットワーク接続する無線LANの規格の一種です。従来の主流は、「有線LAN」と呼ばれる、PCにLANケーブルを繋いでネットワーク接続する方法でしたが、技術が発展し、Wi-Fiが誕生しました。
Wi-Fiを利用することによって、スマホやPCなどの端末で無線でインターネット接続ができるようになります。
また、PCからプリンタに無線で印刷をしたり、レコーダーの録画番組をスマホを見たりと、日常生活の様々なシーンで役立ちます。
自宅のWi-Fiが遅い原因と改善方法11選
Wi-Fiを利用するには「無線ルーター」という機器が必要です。
契約しているプロバイダによっては、無線ルーターの機能が備わったモデムやONUが設置される場合もあります。そうでない場合は、自身で無線ルーターを用意しモデムと配線する必要があります。
1.ルーター(モデム)の置き場所
ルーター、またはモデムの置き場所が原因で遅くなっている可能性があります。もしかすると今ある位置から移動させた方が良いかもしれません。
ルーター(モデム)との距離・位置
無線ルーターは床から1~2mの少し高いところへ設置するようにしましょう。
電波を吸収するものや、干渉するものが減り、電波の強度が高まります。
また、出来るだけ家の中心に設置するようにしましょう。
そうすることによって、家の全体でムラなくWi-Fi接続できるようになります。
ルーター(モデム)との間に遮蔽物をおかない
電波は、遮蔽物がなければ真っ直ぐ進み、距離に応じて徐々に弱まります。しかし遮蔽物があると、電波は弱まり、遠くに届かなくなってしまいます。
金属や水、コンクリートなどは特に電波を吸収してしまいます。反対にガラスや木、紙などは電波を通します。
そのため無線ルーターを棚の中に入れたり、家具のかげに設置したりすることはしないようにしましょう。壁付近に設置すると電波が壁に吸収、反射されてしまい強度が弱まります。
2.電子レンジ・家電との電波干渉
実は無線ルーターから出ている電波は家電と帯域が同じで、電波干渉しあっている可能性があります。電波干渉が発生すると、電波は弱まり、結果インターネットの接続が不安定になります。
電波干渉しやすい家電・もの
電波干渉しやすい家電には以下のようなものがあります。
- bluetooh
- コードレス電話
- ドアホン
- リモコン
- 他の家の無線ルーター
など様々な機器に影響を受けます。
特に電子レンジは強力な電磁波を発しており、強く影響を受けます。
もし原因不明で電波の接続が途切れることがあれば、他の機器と電波干渉をしていないか疑ってみましょう。
3.親機をリセット
電波が飛ばない原因として、ルーターやモデム(ONU)自体の動作不良の可能性もあります。ルーターとモデムのどちらも電源を抜き、モデム→ルーターの順で電源を入れ直します。案外これだけで改善することもあるので、まずは試してみることをおすすめします!
また、スマホやPCなど接続する端末側の問題の可能性もあるので、
端末側も電源を入れ直すと改善することがあります。特に特定の端末のみ繋がりが悪い場合に効果的です。
4.アンテナの向きを工夫する
ルーターによってはアンテナの向きを変えられるタイプのものがあります。
アンテナを天に向けて立てた場合、電波は横方向に広がっていきます。
広い部屋でWi-Fiを利用する場合は、アンテナを立てて利用しましょう。
アンテナを横に倒した場合は、上下、縦方向へと電波が広がります。
例えば2階から1,3階に電波を届くようにしたいといった場合は、アンテナを横にすると効果的です。
5.5GHzのチャンネルを使う
Wi-Fiの電波の周波数帯には、2.4GHz帯、5GHz帯と大きく分けて2種類あります。
- 5GHzの特徴:電波干渉を受けにくい、障害物に弱い
- 2.4GHzの特徴:電波干渉を受けやすい、障害物に強い
2.4GHzは電子レンジなどの家電と同じ周波数帯の電波です。そのため、電波干渉が発生し接続が途切れたり、速度が出なくなることがあります。
5GHzは基本的にWi-Fi以外にないため、干渉を起こすことがありません。
5GHz/2.4Ghzの設定方法
2.4GHz・5GHzのいずれも、SSIDと呼ばれるネットワークの名前が存在します。このSSIDには誰でも利用できることがないようにセキュリティキーというパスワードがかかっています。初期値は無線ルーター本体のシールや、購入時についてきた無線設定シートなどに記載されています。
設定方法としては
①端末上でWi-Fi設定画面を開き、接続したい方のSSIDを選択
②セキュリティキーを入力
これだけで設定ができます。
※SSIDやセキュリティキーはルーターの管理画面で後から変更可能
もし、2.4GHzで接続し安定しない場合は、5GHzに切り替えてみると接続が安定するかもしれません。ただし、5GHzは「障害物に弱い」というデメリットもあります。状況に合わせて使い分けましょう。
また、端末によっては5GHzに対応していない機器もあるのでご注意を。
6.ファイアウォールの設定を変更
マカフィーやカスペルスキーなどのセキュリティソフトにはファイアウォール機能というものが備わっています。外部からの不正なマルウェアやウイルスをブロックしてくれる機能です。しかし、特定のサイトにおいては、このファイアウォールが原因でWi-Fiが不安定になったり、接続ができなくなったりすることもあります。ファイアウォールをオフにして症状が改善した場合は、設定を見直す必要があるでしょう。まずは
- セキュリティソフトが2つ以上動いていないか
- 特定サイトを許可する設定にする
上記2点を確認してみましょう。特にWindowsでは標準でWindowsディフェンダーと呼ばれるセキュリティが作動しています。そこにさらに他のセキュリティソフトを入れることで、ソフト同士が干渉しあい、Wi-Fi接続に影響がでることがあるのです。
7.IPv6接続サービスを利用する
IPv6とは簡単にいうとインターネット接続方式の一つです。今まではIPv4が一般的に利用されていましたが、IPv4のIPアドレス(インターネット接続するための住所のようなもの)が枯渇してきたことによってIPv6が考案されました。
IPv6接続サービスを利用すると通信速度が向上すると言われています。
ただし、プロバイダでの提供があることと、対応しているルーターがあることが条件です。
- フレッツ光
- auひかり
- ソフトバンク光
- ぷらら光
など、大手光回線事業者の大半はIPv6に対応しています。また、イッツ・コミュニケーションズやJ:COMなどのCATVでも対応しているようです。
IPv6は以下でも解説しています。
8.障害物や距離がある場合は中継機を検討
ルーターとの距離や間の障害物が原因であれば、「中継器」を設置することで改善します。中継器とは、ルーターから出ている電波を中継し、さらに届く距離を広げる機器です。家電量販店やネットで数千円から販売しています。
一軒家や広めのお家であれば、少しコストはかかりますが「メッシュWi-Fi」がおすすめです。複数の専用中継器を設置することで、家中どこでも快適にWi-Fi接続できる環境を構築できます。
9.接続端末が多い場合はアクセスポイントを変更
接続端末が4台以上になる場合には、アクセスポイントを変更するのも一つ手段です。ルーターによって同時接続可能な端末の数は上限があります。同時に接続する端末が多いようであれば、無線ルーターを複数台設置して、接続するアクセスポイントを増やすと効果的です。
アクセスポイントの増やし方
①まずは無線ルーターを2台以上用意します
②スペックの高い方を親機ルーターとして、ルーターモードに設定します
(こちらをモデムと接続します)
③もう1台のルーターはアクセスポイントモードに設定。
④親機ルーターとアクセスポイントモードルーターを無線か有線で接続します
以上で、アクセスポイントを増やすことができます。増えたあとは端末によってそれぞれのSSIDに接続して使い分けてください。
10.新しい通信規格のルーター(モデム)を購入
ルーターなどの通信機器には、通信規格というものがあります。Wi-Fiの通信規格は「IEEE 802.11」というもので、「IEEE」というアメリカの通信学会が定めています。この通信規格は年々発展しており、次々にスペックの高いものが出てきています。
例えば、2019年には「IEEE 802.11ax」という通信規格が発表されています。まだ普及されていませんが、理論上の最高速度は9.6Gbpsと今までにない高速通信が可能な規格です。
当然ながら古いルーターは規格も古いため、それが原因で速度が出ないこともあります。
今現在ある通信規格と自身のルーターの規格を比較してみましょう。
規格 | 最大通信速度 |
IEEE802.11b(2.4GHz) | 11Mbps |
IEEE802.11g(2.4GHz) | 54Mbps |
IEEE802.11a(5GHz) | 54Mbps |
IEEE802.11n(2.4GHz,5GHz) | 600Mbps |
IEEE802.11ac(5GHz) | 6.9Gbps |
IEEE802.11ad(60GHz) | 6.8Gbps |
IEEE802.11ax(2.4GHz,5GHz) | 9.6Gbps |
下に行けば行くほどスペックが高い通信規格となっています。もし「IEEE802.11b」のルーターを使っているのであれば、買い替えしてみるのもおすすめです。
11.契約速度を見直す
灯台下暗しですが、プロバイダとの契約速度が遅ければWi-Fiの通信速度も当然遅くなります。ベストエフォート型今の自分の契約内容十分なものか確認してみましょう!
まとめ
Wi-Fiの速度改善についてお話してきました。
電波の特性を意識しながらWi-Fiの環境を見直してみましょう!
皆さんのWi-Fiライフに貢献できれば幸いです。