IPv6の通信速度をスピードテストしてみたいですよね。インターネットの利用が多くなると、自分の使っているインターネット回線はどのくらいのスピードなのか?と気にしている人は多いはずです。
インターネットに接続するなら、従来のIPv4プロトコル(約束)ではなく、IPv6プロトコルでのネット接続がおすすめです。その際に使用するのが、サイトやアプリで良く見る「スピードテスト」です。
この記事では、スピードテストの説明や、ちゃんとIPv6に接続できているのか確認する方法についても説明します。現在でも、IPv4でインターネットを使っている人は多いので、ここは早めにIPv6プロトコルに切り替えておくことをおすすめします。
また、このページでは、IPv6プロトコルについての説明や、スピードテストのサイトを探している人におすすめしたいスピードテスト5選を紹介します。
IPv6の回線速度を測定する
IPv6の回線速度を測定することについて、関連する注意点を解説します。IPv6は、IPv4よりも高速に通信できることで知られています。そのため、測定に先だって、まずIPv6回線かどうかを確認しなければいけません。
IPv6の回線
IPv6の回線に対応しているプロバイダは、主要なものを挙げると以下の通りです。これはその後段に記載してある参考リンクから抜粋しました。このサイトは、JAIPA(日本インターネットサービスプロバイダー協会)という団体の公式ホームページです。日本全国の主要なISPが参加しており、IPv6関連情報も一覧で公開されています。
ISPサービス主体 | ISPサービス名 |
朝日ネット | ASAHIネット |
(株)インターネットイニシアティブ | IIJ |
NECビッグローブ(株) | BIGLOBE |
NTTコミュニケーションズ(株) | OCN |
(株)NTTぷらら | ぷらら |
KDDI(株) | au one net |
CNCIグループ(中部圏CATV 8社) | CATVインターネット |
ソネットエンタテインメント(株) | So-net |
ソフトバンクテレコム(株) |
ODN |
SpinNet | |
ソフトバンクBB(株) | Yahoo! BB |
(株)ドリーム・トレイン・インターネット | DTI |
ニフティ(株) | @nifty |
IPv6接続の確認
自分の回線がIPv6接続かどうかは、サイトで自動で確認することができます。
→ https://help.gmobb.jp/app/answers/detail/a_id/018786
IPv6とIPv4の速度測定の違い
2つの速度測定方法に大きな違いはありません。理由は、IPv4かIPv6か、というのは、パケットを届けるルートの判断方法(=IPアドレスの使い方)が違うだけだからです。速度測定はデータの送受信時刻・量・損失から回線品質を測るものであり、これらはいずれもIPアドレスに関係なく測定できます。
IPv6とIPv4の違いは以下でも解説しています。
IPv6回線におすすめのスピードテスト5選
IPv6回線のスピードテストには、IPv4回線とIPv6回線を自動的に判別してくれるものが、殆どです。詳しく地域を入力するものは、地域ごと、プロバイダごとの回線速度が分かるので便利です。回線速度が遅いと感じた場合は、設定を変えてみたり、物理的な部分である、ルーターやハブ、LANケーブルに異常がある場合があります。それでも遅い場合は、より上流の通信キャリア、プロバイダ側になりますので、連絡することをおすすめします。
1. みんなのネット回線速度
みんなのネット回線はIPv4とIPv6回線を同時に測定してくれます。また、地域ごとのプロバイダ速度や平均速度、使用回線のランキングなど詳細なテスト結果の表示が可能です。光回線でIPv6接続が可能な回線は、IPv4・IPv6の同時測定を行ってくれます。また、フレッツ光系の回線はPPPoE・IPoEの自動判定を行います。自分の回線速度がどのくらいなのかを調べるには、とても便利なサイトです。
→ https://minsoku.net/speeds/contents/new
2. SPEED TEST
SPEED TESTは、スピードテストでも有名なサイトです。登録なしで、すぐにインターネットの速度測定をすることができます。IPv4とIPv6回線は自動的に判別して、速度結果を表示してくれます。あらかじめ、IPv6に接続してあることを確認してから測定すると安心です。基本的に、自動的に最適なサーバーが選択されます。もし、測定結果が想定した速度より遅い場合は「Change Server」からサーバーを変更してみて下さい。
→ https://www.speedtest.net/
3. Network Speed Testing - So-net
ソネット(so-net)のスピードテストです。ソネット会員やフレッツ、NUROなど各キャリアのIPv6の速度測定ができます。測定前に、地域や回線タイプ、プロバイダーなどの選択をすることでより、正確なIPv6スピードステトが可能です。
→ http://speedcheck-v6.so-net.ne.jp/netspeed/start.html
4. Fast.com
次は、Fast.comというスピードテストです。 こちらは、あの「Netflix」が提供するサービスです。 Fast.comは、世界中で使用されているサービスとしても有名です。
回線速度の測定は、サイトにアクセスするだけで自動的に開始されるため、非常に使いやすくできています。 かつ、問題なくIPv6回線を測定することができます。 ただし、測定結果が大きくばらつく場合がありますので、何度か測定を試みると正確な値に近づきます。
→ https://www.archlinux.site/2018/11/ipv6.html
fast.comは以下の記事でも解説しています。
5. Inonius
スピードテストの「Inonius」はIPv4とIPv6を自動的に判別して、両方の速度を測定してくれます。「あなたは IPv6 を優先的に使用しています」というメッセージも表示してくれるので、どちらに接続しているか一目瞭然な所もおすすめです。
→ https://inonius.net/speedtest/
IPv6は速くなる?デメリットは?
IPv6は速くなるでしょうか?また、デメリットはあるのでしょうか?ここではその2点について解説します。
IPv6が速くなる理由
IPv6が速くなる理由は、『PPPoE認証が不要になる』ということが最大の理由になります。さらに細かくその背景を箇条書きで説明します。
①IPアドレスで利用者を識別できる
IPアドレスで利用者を識別できるということは、認証処理が簡単ということです。IPv6の場合、IPアドレスが各デバイスを識別できるほど豊富にありますので、どんなネットワークに入っても簡単に利用者を識別できます。
そのため、事業者側の認証処理が非常に簡単になります。利用者との余分なアカウント情報のやり取りが必要ありません。
それに対して、IPv4はPPPoEという方式で認証しており、IPアドレスでは認証できませんので、別途アカウント情報が必要となります。
②PPPoEのトンネリングが不要
PPPoEのトンネリングが不要な点も、IPv6が高速になる理由です。このプロトコル用のパケットをイーサネットフレームに入れて事業者回線に送出しており、これは大きな時間のロスです。
IPv6はPPPoEが不要なので、イーサネットフレームをそのまま事業者回線に流すことができ、パケット量が増大するほど顕著な違いが生まれます。
これらの理由により、IPv6の方がIPv4(PPPoE認証が付随する)よりも高速になるのです。
IPv6のデメリット
IPv6のデメリットは、まだ世の中のインターネット環境がIPv6に完全移行できていないことによって生じます。具体的には以下のデメリットがあります。
①既存のサイトは多くがIPv4のまま
既存のサイトは多くがIPv4のままです。そのため、利用者が突然IPv6に変更しただけではそのサイトに到達できなくなってしまいます。
②事業者側回線もIPv6に対応する必要がある
事業者側回線もIPv6に対応する必要があります。キャリアやISPなど、パケットを中継する事業者の装置がIPv6に対応しない限り、IPv6を利用することはできません。この場合、利用者としてはIPv6対応事業者への乗り換えが必要になります。
③ネットワーク機器の更新が必要
ネットワーク機器の更新が必要な場合があります。自宅で使用しているルーターやNICがIPv6に対応しておらず、ファームウェアアップデートでは対応できない場合は、IPv6対応製品に交換する必要があり、出費が嵩んでしまいます。
まとめ
IPv6の基礎知識と、スピードテストについて紹介してきました。今回ご紹介した、IPv6というサービスは、各ISPが主体的に導入を進めており、IPv6 over IPv4というトンネリング方式も実現しています。そのため、利用者の立場からすれば、IPv4のアドレスが枯渇すれば、自動的にIPv6に割り当てられるので、特別気にすることがないというのが本当の所です。実際、ほとんどの人がIPv6で接続しているのですが、「自社のサービスに乗り換えてもらいたい」という競争心から、「このサービスを使うと高速ですよ」というように、IPv4よりも高速であることを強調して宣伝しています。ですから、そうした宣伝文句に惑わされず、スピードテストサイトを利用して、実際に自分の回線速度を測定することをおすすめします。そうすることで、地域や他者との本当の違いが分かります。現実的な話としては、IPv4かIPv6かに関わらず、一般的に30Mbps前後の速度があれば、ほとんどのサービスは問題なく使用できます。