ふだん何気なくインターネットとネットワークをごちゃまぜに使っているけど問題ないのかな・・・。そんな不安に駆られている人が多いと思ってこの記事を書きます。
実は、インターネットとネットワークの意味するものは別物です。"ネット"と省略する場合も多いので、同じに考えてしまう場合がありますが、両者には明確な違いがあります。今回の記事ではそんな"インターネット"と"ネットワーク"の違いを明確にして行きましょう。この記事を読めば、あなたの頭はスッキリするはずです。
インターネットとネットワークの違いは?
インターネットとネットワークの違いを明確に理解する際にもう一つ知っておくべき用語があります。それはLAN:Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)です。LANケーブルでよく耳にする"LAN"です。
実はLAN(ローカルエリアネットワーク)もインターネットもネットワークの一部なのです。LANの場合は、コンピュータとコンピュータを個別に接続するネットワーク、世界中のコンピュータ同士のネットワーク(インターネット)に接続されたネットワークということになります。
接続者視点で見ると個々のコンピュータにだけ接続して形成するのがLAN、世界中に接続する時にすでに形成されているインターネットに接続します。
ですからインターネットはネットワークです。
インターネットのことはたんにインターネット、ネットと呼びますので"ネットワーク"とあえて呼称する場合、少数のコンピュータ同士の接続(LAN)のことを指している場合があります。
つまり、インターネットとはある特定の条件を満たしたネットワーク
その条件とは、世界中規模でコンピュータが接続されていること。
インターネットではないネットワークを特に指す場合は、
LAN(ローカルエリアネットワーク)を指すことが多い。
インターネットは核戦争を想定した通信技術として構想が持ち上がった
インターネットの誕生はアメリカ軍の開発したARPANET(アーパネット、Advanced Research Projects Agency NETwork、高等研究計画局ネットワーク)が始まりと言われています。
電話局のテロ事件で連絡網が途絶えたアメリカ軍は「電話局のテロ事件が原因で、核戦争に耐えられるような通信ネットワークが必要だ」と考えてインターネットの構想を始めたのだそうです。
電話回線による通信は、一箇所断線してしまうと通信をすることができません。しかし、インターネットのように世界中が回線で繋がっていれば、一箇所断線したとしても他の回線を経由して問題なく連絡を取ることができるのです。
インターネットの歴史は以下のようになっています。
<インターネットの歴史>
1961年→どんな時代だったの???
アメリカのユタ州のテロ
軍用回線ですら、一時的に完全停止。
アメリカ国防総省は核戦争のために従来の電話網とは別の新たな通信システムの研究を開始。
1.一箇所に依存しない、分散型ネットワーク
2.情報を小分けに送るパケット化で、途切れた場合でも続きを送ることができる。
1969年9月
ARPA(アメリカ国防総省高等研究計画局)にちなんで
「ARPAnet」
4つ大学の共同開発。
24時間繋がっているネットワーク運用。
1970年代 他のアメリカの大学や研究所でも同様のネットワークが構築。
1980年代 学術ネットワークの普及 →たしか、初めは論文検索のために使われていた。
1990年代 アメリカ全土のネットワークが繋がる。
→ネットワークの発祥の地はアメリカ
日本
1980年 学術ネットワークとして一部の大学や研究機関で使用。
1993年に郵政省から許可され、運用されるようになった。
1993年にホームページ閲覧ソフト「mozaic(現在のブラウザの元になるソフト)」が開発されインターネット人口が爆発的に増加。(HPは1991年からだったが、文字データに加えて画像データを扱えるようになったのはmozaicから)
はじめは価格が高価であったためインターネットを使用できるのは企業だけでしたが
・パソコンの価格低下
・インターネット接続の価格低下
・ソフトウェアの進歩
により企業だけではなく一般家庭でも使用することができるようになりました。
ネットワークの基本単位は?
LANとは"コンピュータとコンピュータが接続された状態"のことです。
例えば、
パソコンAとパソコンB、二台のパソコンが有線ケーブルで接続されていれば二台のパソコンの間にはネットワークが形成されていると言えます。
他にも、スマホからブルートゥースで他のパソコンに接続して音楽を流す場合もネットワークが形成されていると言えます。
有線、無線に限らず二台以上のコンピュータが接続されていればネットワークを形成していると言えます。最近ではお風呂場やキッチンなどの家電や腕時計などにもコンピュータが内蔵されていることもあるので、ネットワークは身近なところにあると言えるでしょう。
もしコンピュータ間の接続が、少数のコンピュータ同士の接続で簡潔しているのであれば、インターネットとは呼ばない、ただのネットワークということになります。
ネットワークを構築するメリット
コンピュータ同士を接続してネットワークを構築するメリットはあるのでしょうか?
ネットワークを構築すると「1つの作業を複数人で行うことができる」というメリットがあります。
いっけん「何だそれだけか・・・」と落胆した人もいるかもしれません。しかし、1つの作業を分業できるネットワークの性質を利用するとあることが可能になるのです。
そのすごいこととは「知識の集積」です。
作業の分業は10人や100人だとあまりすごさが分からないかもしれませんが、世界中の人々が作業できると考えるとすごい規模になります。
ネットワークの考えが普及したおかげで世界中の専門家や有識者が知識をWeb上にアップしたり、動画、音楽などのコンテンツをアップしたりできるようになりました。世界中のサーバー上にWebコンテンツをアップすることにより、莫大な知識が集積されるようになっているのです。
この莫大な情報の大海原こそがインターネットなのです。
巨大な知識にアクセスできるようになるのがインターネット
インターネットに接続すると、世界中のサーバに保存されているコンテンツにアクセスできるようになります。
もちろん、インターネットと言ってもはじめはコンテンツを持っていなかったわけです。しかし、莫大な量のコンテンツが存在し私達の生活を助けてくれます。このWeb上に知識が集積されている時期をWeb第一期と呼びました。
この知識の集積は、インターネットにさらなる進化をもたらしています。
それはWeb第二期にあたる、機械によるコンテンツの理解です。蓄積された莫大なコンテンツを学習し、機械はコンテンツの意味を理解できるようになりつつあるのです。
これはWebの第一期ではできなかったことで、大量のコンテンツが存在するからできたことでもあるわけです。インターネットが普及したことにより、機械が人のコンテンツを理解できるようになったと考えるとロマンチックですよね。
結局、ネットワークとインターネットの違いはどこにあるの?
LAN(ローカルエリアネットワーク)とインターネットの違いは接続されているコンピュータの数なのでしょうか?
もし仮りに世界に人間が10人しかいないとしても、世界中の人が接続されていればインターネットと呼びます。ですから、LANとインターネットの違いは全体の公に開かれているか否かの違いと言えます。
実は、LANに接続されるコンピュータの台数が増えるとWAN:Wide Area Network(ワイドエリアネットワーク)を形成します。
例えば、会社や学校などの規模でネットワークを形成する場合、かなり大規模な数のコンピュータが接続される状態になりますので、会社や学校単位での知識の集積が可能になります。
例えば、社内の業務マニュアルや学校の生徒名簿などを管理することができますよね。でも、インターネットにして世界中のアクセスを許可してしまうわけにはいかない。LANは世界中にアクセスしない代わりに、世界中からもアクセスできませんので、こうしたLANのような性質を残したまま巨大なネットワークを形成するとWANと呼ばれる巨大なネットワークになります。
つまり、LANとインターネットの違いは公に対して"閉じているか""開いているか"の違いだと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?ネットワークとインターネットの違いは実はそんなに難しくありませんね。ネットワークという概念の中にLANとインターネットという小さい概念があるとしっておきましょう。