帯域・周波数の実用的解説!無線選びに役立つプラチナバンドの知識

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無線ルーターや携帯を選んでいると「帯域幅が5Gありまして~」などと言った用語にふれる場面もあると思います。

帯域幅とか周波数とか、波の性質に関しては、普通に生活をしていても触れる機会がありませんから、もし勉強しているとしても高校の物理の時間に教科書でサクッと勉強した程度ではないでしょうか。

今回は、小難しい波の性質にはそこまで触れません。

これから無線ルーターや携帯電話を選ぶ人向けに帯域幅や周波数の基礎知識、帯域幅や周波数が違うと実感として何が変わるのか、結論としてどんな機種を選ぶべきなのかを分かりやすく解説して行きます。

この記事を読めば、あなたは難しい用語をかんたんに理解できますよ。

帯域幅と周波数って何?両者の違いは?

帯域幅(周波数帯域)はバンドワイズ(bandwidth)とも呼ばれ、電波の回り込み性能や伝送速度に関わります。

そもそも周波数ってなんだっけ・・・

周波数の意味を覚えていない場合もありますので1から説明しますと、

まず、周波数とは1秒間に振動する波の回数です。
自然界に存在する光や音はすべて波の性質を持っています。

例えば身近な音で言えば、

冷蔵庫の音→250Hz
女性の話し声→1,000Hz
セミの鳴き声→4,000Hz

光の三原色は、

赤→405~480 THz
緑→530~600 THz
青→620~665 THz
※1THz(テラヘルツ)は1000ギガヘルツ

という周波数です。

帯域とは?

帯域(帯域幅)とは無線に使われる"周波数の幅"のことです。

無線通信では2.4GHzと5GHzがよく使用されますが、これは周波数が2.4GHz、5GHzというわけではなく、使用される周波数の幅がそれだけあるということで、絶対的な周波数を表しているわけではありません。

理論上は、0Hz~5GHzを使用していても10GHz~15GHzを使用していても帯域幅は同じ5GHzになります。

では、この帯域幅の違いはどんな違いを生むのでしょうか?

分かりやすく説明すると以下のようになります。

帯域幅が広いほど・・・
一度にたくさんの情報を送受信できるけど、圏外になりやすい

帯域幅が狭いほど・・・
情報を送受信する速度は遅くなるけど、圏外になりにくい

どちらが良い悪いではなく、帯域幅の違いは一長一短あるということです。

では、どうしてそんな違いが生まれるのでしょうか。

帯域幅による伝送速度・回り込み性能の違いはなぜ起こる?

実は、Wi-Fiなどの無線通信は1つの通信規格ではありません。いくつかの通信技術を併用することでスムーズかつ、途切れることの無いように通信が行われています。例えばWi-Fiの通信規格は「11a」「11b」「11g」「11n」「11ac」「11ad」の6つの通信規格が組み合わさって成り立っています。

帯域幅が2.4GHz、5GHzというのも1つの通信規格がこの数値になっているわけではなく、チャネルと呼ばれる細かい通信規格が合わさって実現されています。

帯域幅が広いということは、多くの経路を使って通信を行えることになるので単位時間あたりに送受信できるデータ量が大きくなります。逆に帯域幅が狭いと使用する経路が少ないので送受信できるデータ量は小さくなります。

では、帯域幅が広いものを選べば良いのでしょうか?答えは・必ずしもYESではありません。

Wi-Fiなどの無線通信は光や音と同じような"波の性質"を持っています。地下鉄やデーパートの地下で携帯の電波が圏外になることがありますが、これはコンクリートが電波を通しにくいため電波が送受信できなくなっているということです。

電波には障害物の隙間に入り込んだり、回り込んだりする性質があるので、多少の障害物があっても通信を行うことができます。しかし、多くの経路を使って通信を行えば行うほど、隙間を通れるものと通れないものがたくさん出てくるためデータの送受信に障害が生じやすくなります。逆に、帯域幅が狭い通信では少ないチャネルで通信するので狭い隙間や障害物のある環境でも通信が成立しやすくなります。

こうした性質を考えると、アパートやマンションなど電波が繋がりにくい環境で通信をする場合は帯域幅の狭い電波を使用する戦略が必要になってくると言えるでしょう。

どれくらいの帯域幅があればいいの?

周波数帯域幅は単に、周波数の幅を表しているだけなので、「このルーターは1Gbpsの速度が出ます!」といった速度のように、そこまで気にする必要はあります。

ただし、周波数帯域幅が違う無線機器を使用すると伝送速度や回り込み性能に差が出てきます。

伝送速度の差は体感ではほとんど分かりませんので気にする必要はありません。ですが、もし「電波がつながらない!」という状況が多いのであれば以下のプラチナバンドを意識すると良いでしょう。

プラチナバンド

プラチナバンドとは、700MHz~900MHzの帯域幅のことです。プラチナバンドは帯域幅が狭いので電波が届きにくい環境でもデータを伝送することが可能になります。

例えば、プラチナバンドは携帯電話の電波として使用することができます。

“電話”を使用する時は、ほぼどんな環境でも途切れた経験がある人は少ないのではないでしょうか?

プラチナバンドを利用するということは、この電波を利用することになりますからどんな場所でも快適にインターネットを行うことができるようになります。

ちなみにSoftBank携帯では900MHzの電波を利用可能ですが、docomoとauは800MHzの電波が利用できます。そのため理論上はSoftBankよりもdocomo、auの方が回り込み性能が良くなるのです。

無線通信の代表的な帯域幅を確認しよう!

代表的な通信機器の帯域幅は以下のようになっています。携帯電話は、モバイルルーターに比べると様々な帯域幅を使用できるようです。
モバイルルーターや無線ルーターの場合は、2,4GHzと5GHzの二種類から選ぶことが多いです。

docomo→700MHz,800MHz,1.5GHz,1.7GHz,2.1GHz,3.5GHz
au→700MHz,800MHz,1.5GHz,1.7GHz,2.1GHz,3.5GHz
SoftBank→700MHz,900MHz,1.5GHz,1.7GHz,2.1GHz,3.5GHz
UQ→2.5GHz
楽天→1.7GHz
無線LANルーター→2.4GHz、5GHz
WIMAX2+→2.4GHz、5GHz

結論としてどの機種を選ぶべきか

結論としては、モバイルルーターを選ぶ場合、どの機種を選んでも大きな差はありません。

ただし、UQコミュニケーションズの提供するWIMAXは、“ハイスピードエリアモード”に切り替えることでau 4G LTEというau携帯の電波を使用することができます。この電波は上で紹介したプラチナバンドの回線で800MHzの周波数帯を使用できます。モバイルルーターの中で比較するのであれば、WIMAXのハイスピードエリアモードが一番回り込みできます。

携帯電話であれば、docomo、au、SoftBankのどの携帯でも同じくらいの回り込み性能です。モバイルルーターの高周波に比べると圧倒的に回り込みやすいです。もし、モバイルルーターがつながらない場合は手持ちの携帯のテザリング機能を利用すると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は帯域やプラチナバンドの基礎知識を解説してきました。WIMAXや携帯電話のプラチナバンドを利用すれば電波の繋がりにくい場所でインターネットを楽しむことが可能になります。是非試してみてください。

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